夢!サイケデリック!! 公演情報 範宙遊泳「夢!サイケデリック!!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    夢の強度とその先
    ふわふわしない、確かに奇妙な強度のある、おかしな「夢」の時間を体験しました。
    一見キッチュ&ポップにごちゃごちゃと飾っているようで、実は(舞台面は)シンプル、という空間構成の妙が、移り変わりやすく荒唐無稽な「夢」の場を、うまくリードする役割を果たしていたと思います。そして俳優の佇まいもまた、「夢」というテーマに甘えない、不思議なリアリティを持っていて、魅力的でした。
    とはいえ、ほぼ全編にわたる「夢」の時間は次第に無限のようにも思え、「アレ、今のコレはなんだっけ?」と目の前で起こっていることを見失ってしまう瞬間もありました。

    ネタバレBOX

    夢の中にありながら「今ここにいる根拠」を示すピンポン球の「受精」シーンや、ふと目覚めた主人公が再び深い眠りに着く(夢や睡眠がループしながら、現実との境目を曖昧にする)終幕に、ドラマの予感を感じつつ、もう一歩掘り下げた表現のコアに出会いたかったと思ったのも事実です。

    「気軽でポップな劇場体験」が、カンパニーの一つの目標であることは、アフタートークからも伝わってきましたし、今作でのきっちりとした(演技も含めた)空間づくりを観ていると、その方向性への期待も膨らみます。けれど、だからこそ(同じ気軽さを標榜しつつ)、まだまだ掘れる、まだまだ脱げるものもあるのではないか、それがカンパニーの強さになり、演劇の強さになるのではないかという思いもまた、膨らむのです。

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    2012/06/08 13:14

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