ローザ 公演情報 時間堂「ローザ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    信じられたものと信じられなかったもの
    ポーランド生まれのドイツで活動した革命家ローザ・ルクセンブルグをめぐる物語。彼女の死後、親しかったものたちが墓場に集い、ローザとは一体なんだったのかを、それぞれがローザを演じることによって検証する。

    ネタバレBOX


    ジャスミン革命以降、アラブの春をへて、変革後の新たな体制づくりの難しさが語られる今日、興味深い題材ではあるが、見ていて一番気になったのは、ロシア革命時代のドイツにおいて、非常に大きな影響力を持ったローザ・ルクセンブルグという人間が見えてこない点だった。
    作者は、偉大な革命家ローザ・ルクセンブルグではなく、ひとりの女性としてのローザを描き出そうとしているのかもしれないが、役者たちの演技からは彼女の人生を垣間に見ることができなかった。もちろん、現代の若い日本人俳優が100年前のドイツ女性革命家の人生を舞台上で生きるなんてことはできるはずもないことかもしれない。しかし、いまを生きる人間の肉体を通して、一瞬でもいいから彼女のリアルな生を見ることができれば、劇として信じられるものも生まれたのではなかったか。今回の芝居を見て、信じられたのは俳優たちが等身大の自分を生きているということであり、俳優が演じている役を信じることは最後までできなかった。

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    2012/05/30 20:00

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