ま ○ る 公演情報 miel(ミエル)「 ま ○ る 」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    舞台のトーンも物語も◎
    冒頭から、舞台上の表現の切っ先と
    ニュアンスのふくよかさに惹かれ圧倒されて。

    6人の作家たちが紡いだ物語の一つずつに
    観る側を釘づけにする創意の豊かさがあり
    それを織り上げる役者たちの動きにも
    常にしなやかなテンションが裏打ちされていて・・・。

    独立したニュアンスをもちつつ
    それらをシームレスに繋いでいく
    役者たちの身体の醸し出すニュアンスも実に秀逸。

    観終わって、とても豊かに満たされておりました。

    ネタバレBOX

    冒頭、明かりがついた刹那のシーンから
    一気に取り込まれる。
    ぞくっとくる。

    そこから6つの物語が
    言葉とは異なる饒舌さをもった
    身体による表現を挟んで
    ほぼシームレスに綴られていきます。
    物語を綴ったのは、
    まさに今、脂が乗り切った6人の作家たち。
    それぞれのテイストが、
    作り手の創意によって、
    観る側にアミューズを与えつつ
    舞台を満たしていく。

    それは、ちょっとビターな雰囲気のなかに
    素敵な粘度をもったカップルのビビッドな生活感であったり
    観る側が目を見開いてしまうようなリアリティをもった
    ホラーの洗練であったり、
    意外な視座をもった都会の風景であったり・・・。
    さらには音による言葉で組み上がる世界に
    動作による言葉のニュアンスが重ねられ、
    世界に新たな広がりと解像力が生ま
    ちょっと下世話な雰囲気ですら
    どこかこじゃれた色に塗り変えられ
    世代をつないで伝えられていくものの感覚が
    女性たちの生きる今と時代の俯瞰それぞれの質感へと翻って。

    作り手の組み上げる世界には、
    独自の境地が存在していて
    様々な色もタイプも
    その中の質感やクオリティの洗練として醸し出されていく。
    そこには、
    観る側が普段、なにかを感じるプロセスをいくつかすっ飛ばして
    直接コアを染め、揺すぶるような力があって。
    それは、描き方の卓越したアイデアと
    刹那ごとの徹底的な作りこみの賜物なのでしょうけれど、
    観る側に裏打ちされているであろう汗と努力のウェットなテイストを
    微塵も感じさせることなく
    ショーケースの内側にあるものを眺めるような、
    乾いた、しかも純度を持った質感で観る側を捉えると
    作品の世界のピュアな肌触りを、
    観る側に降りてくる世界に縫い込んでいく。

    よしんば、初日で、
    演じるものに多少のノイズはあったとしても、
    秀逸な演者たちによって作り手の世界は
    しなやかに編み上げられていて。

    終演後も、そのどこか透き通った世界の見え方から
    暫く抜け出すことができませんでした。

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    2012/05/12 14:34

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