ダンスの器 公演情報 NPO法人らふと「ダンスの器」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    chairoi PURiN鑑賞
    イギリス童話『ジャックと豆の木』をベースにして、ダンスや台詞のみならず、歌や楽器演奏、様々な小道具や映像を盛り込み、ダンス公演と銘打っていますが、演劇的要素の強い作品でした。一見児童劇のような雰囲気の中に時折シリアスなメッセージが込められていて、ただ楽しいだけではないのが良かったです。

    ごみ袋に入った量の空き缶やテレビゲームの画面が映し出されているテレビが置かれている巨人の部屋に突如大勢の人が押し掛けて来て、芥川龍之介の『薮の中』のように一人一人の証言と称したダンスやパフォーマンスが続く構成でした。主人公のジャック役は誰も演じず、後半に人形で出てくるのみで、ジャックに殺された巨人側の視点からシニカルに物語が描かれていました。
    実際に食べたり飲んだりするシーンが多く、所々で食べる行為は他の生き物の命を奪うことであることを意識させ、印象に残りました。
    それぞれのシーンは面白いのですが、終盤がドラマ的盛り上がりに欠けていたのが残念でした。

    空き缶や紙幣を模した紙片などを撒き散らしたり、フライパンで実際に肉を焼いたり、フラスコやアルコールランプを用いて理科の実験をしたりと、小道具の使い方が面白かったです。
    特にスロットマシンを用いて家族が揃わない様子を描いたシーンは馬鹿馬鹿しさの中に悲哀が感じられて素晴らしかったです。

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    2012/05/09 16:40

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