満足度★★★★
ドドド・モリ鑑賞
場面ががらりがらりと変わっていくが、不思議とつながっている。つながりが新宅氏の特長だろう。サウンドもよかった。ぶっ飛んだ発想の連鎖があり、今後も目が離せない。
満足度★★
すこやかクラブ鑑賞
食べ物をモチーフにした短編オムニバス的な構成による、キュートでコミカルな雰囲気の中に少しエロティシズムとホラーの要素が感じられる作品でした。
それぞれのパートにタイトルが付けられていて、料理番組に他の要素がコラージュされていく「フランスパン」、豚とコックの攻防を描いた「ブヒバラ」といった、ダンスというよりかはナンセンスな寸劇が続き、後半になるとベジャール版『ボレロ』のパロディーや、しっかりと踊るデュオがあり、ダンス作品らしいテイストも感じられました。
周りの観客は良く笑っていましたが、子供っぽさを強調し過ぎているように思え、個人的にはあまり笑えませんでした。
能、狂言、歌舞伎、雅楽といった伝統芸能の真似をして観客の笑いを得ていましたが、パロディーにしてもあまりに表層的な扱い方で、残念な出来でした。
客席を通常と逆向きに配置し、エントランスの窓越しの景色を取り込んでいたのがシュールな感じを演出していて楽しかったです。
若い女性達が可愛らしく、あるいはバカバカしく振る舞う姿は魅力的でしたが、純粋なダンス表現をもっと見せて欲しかったです。
満足度★★★★
chairoi PURiN鑑賞
イギリス童話『ジャックと豆の木』をベースにして、ダンスや台詞のみならず、歌や楽器演奏、様々な小道具や映像を盛り込み、ダンス公演と銘打っていますが、演劇的要素の強い作品でした。一見児童劇のような雰囲気の中に時折シリアスなメッセージが込められていて、ただ楽しいだけではないのが良かったです。
ごみ袋に入った量の空き缶やテレビゲームの画面が映し出されているテレビが置かれている巨人の部屋に突如大勢の人が押し掛けて来て、芥川龍之介の『薮の中』のように一人一人の証言と称したダンスやパフォーマンスが続く構成でした。主人公のジャック役は誰も演じず、後半に人形で出てくるのみで、ジャックに殺された巨人側の視点からシニカルに物語が描かれていました。
実際に食べたり飲んだりするシーンが多く、所々で食べる行為は他の生き物の命を奪うことであることを意識させ、印象に残りました。
それぞれのシーンは面白いのですが、終盤がドラマ的盛り上がりに欠けていたのが残念でした。
空き缶や紙幣を模した紙片などを撒き散らしたり、フライパンで実際に肉を焼いたり、フラスコやアルコールランプを用いて理科の実験をしたりと、小道具の使い方が面白かったです。
特にスロットマシンを用いて家族が揃わない様子を描いたシーンは馬鹿馬鹿しさの中に悲哀が感じられて素晴らしかったです。