おかえりなさいII 公演情報 うさぎストライプ「おかえりなさいII」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    負荷を掛けられた身体
    飛行機事故で死んでしまうことになる人達のそれぞれのノスタルジックな前日談が変わった演技スタイルで描かれ、大切な人との繋がりのかけがえのなさを感じさせる作品でした。

    それぞれが同時に台詞を言うカオスな冒頭の後、モノローグあるいはダイアローグの形でそれぞれの日常的な光景が優しく描かれ、途中で音楽が流れて次第にテンションが高まり、絶叫するように台詞を話すというシークエンスが繰り返され、終盤に飛行機が事故を起こす少し前の機内の様子が静かに描かれ、最後にまた冒頭のシーンに戻りそれぞれの台詞が途中に出てきたものだと分かる展開と同時に、床一面に広げられた衣服や鞄が次第に片付けられて行く構成でした。

    相対性理論の曲が流れる中、台詞とは関係のないダンスや運動のような動きや力仕事、ゲームをし続けて身体に過度な負荷を掛けた状態で台詞を発させることによって、演技ではなかなか出せない切迫感を表現していました。
    最近この手法を良く見掛けますが、物語の内容に即した動きの反復・増幅を用いるときは素晴らしい効果をあげることもありますが、今回のようにそのシーンに直接関係のない動きを用いるのは手法だけが浮いて見えました。そのために、役者がとても大変そうにしている割には、あまりギリギリ感が伝わって来なかったのが残念でした。
    所々の台詞や、機内のシーンは素晴らしかったのですが、全体的には先鋭的な作品が好きな観客にアピールするような要素を使い過ぎているのが悪目立ちしていて鼻に突きました。

    白シャツとカーキのボトムスに統一した衣装や人工的なパースをつけて配置された裸電球等、シンプルなビジュアルが洗練されていて良かったです。

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    2012/05/07 09:14

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