絶頂マクベス 公演情報 柿喰う客「絶頂マクベス」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    楽しみなシリーズだが
    1時間30分、ノンストップで見せていく、現代風脚色のシェイクスピア劇として、大変面白い試みだと思っている。

    たとえ、好評を得られなくても、当分は続けていくという中屋敷さんの心意気にも賛同する。


    正統派のシェイクスピア芝居を観る際の入門ガイドにもなりうるだろう。


    女性ばかりの演劇だが、上品な宝塚歌劇とはまったく趣を異にするものだ。


    「悩殺ハムレット」はホストクラブ風の翻案が面白かったが、物語に、直接、その設定はあまり関係はなかった。

    今回の「絶頂マクベス」はマクベスのブラック企業の中間管理職的役割と言う読み解き方が面白かった。


    独特のスタイルを持つ「柿喰う客」は、一般公演では私には近寄りがたい劇団だが、女体シェイクスピアはついて行けそうで、今後も観たいと思っている。



    ガールズナイトのアフターイベントではペンライトを振るスタッフなのかファンなのか、熱烈応援団が客席にいて、異様な熱気を感じた。



    男性が女性の倍額の観劇料を支払うシステムもいまいちよくわからないが、男性も嬉々としているのだから、かまわないということになろうか。

    ネタバレBOX

    マクベス夫妻が、執事とメイドの扮装なのは、中屋敷氏の読み解き方が表現されたものでわかりやすい。

    祝宴の場面では、ドレスアップするのかと思ったら、夫妻とも寝間着にテロっとしたガウン姿。

    ちょっと違和感があったが、私なりの解釈では、この夫妻の悪夢が始まっているという象徴の扮装にも思えた。

    マクベス夫人(内田亜希子)のやたらハイテンションのオーバーな演技が浮きすぎで、私にはどうにも生理的に受け付けなかった。

    期待していたマクベスを駆り立てる芝居が、このおバカなキャラクターでは、全然面白く感られない。

    内田さんは実力派の女優さんだけにこの演出は惜しい。もっと青い火花が散ると期待したのだが。

    「内田亜希子さんが良かった」という感想がここでは多いようなので、私の感じ

    方が特殊なのかもしれないが。

    ハムレットのときのオフィーリアも、今回のマクベス夫人も、どうも人物造形が原作から飛躍しすぎていて、私には馴染めない。

    原作では魅力的なヒロインが、いかにもチープな感じで残念だ。

    若い観客にはウケるのかもしれないが。


    ハムレットに続いて主役のマクベスを演じる深谷由梨香さんは、今回も「魅せる」。

    音楽のように心地よい声質と誠実な演技。

    ガールズナイトのショーでくしゃくしゃの笑顔で踊り狂う彼女が素顔の彼女なのかもしれないが、役では別人だ。

    中屋敷氏のリクエストで、深谷さんがハムレットの一場面を演じて見せたが、その変わり身に、集中力の凄さを感じた。

    劇全体としては、前回のほうが完成度があったと思う。

    0

    2012/04/26 18:57

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大