淋しいマグネット 公演情報 ワタナベエンターテインメント「淋しいマグネット」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    White
    「淋しいマグネット」Whiteを観た。
    美しいセットの中で4人の少年の成長と残酷な言葉、
    そしてそれがもたらす悲劇・・・。
    結果を受け止めるには余りに辛すぎるのか、若すぎるのか・・・。

    ネタバレBOX

    海を見下ろす崖。
    切り抜いたような青空が見える。
    荒い波の音が聞こえる。
    このセットが美しい。

    ここで出合った4人の少年が共に成長し、バンド仲間となる。
    その中の1人がこの崖から身を躍らせて消える、という事件が起こる・・・。
    その原因の一端は自分にあると3人の誰もが思いながら大人になっていく。

    舞台は、9歳で出会った4人の少年たちの無邪気な時代と
    19歳で、少年の独占欲や孤立、残酷な言葉によって1人が欠けた時の衝撃、
    そして29歳になった彼らがあの事件をどう受け止めているかが描かれる。
    3つの時代が交差する合間に、消えた少年リューベンが遺した
    ファンタジーと呼ぶにはあまりに痛切な叫びを持った物語が繰り広げられる。

    リューベンの物語は苦しい本心であり、切ない願いでもある。
    ”愛し合っているのにNとSが反発し合って一緒にいられない
    ”磁石=マグネットは、自分で自分を壊せば一緒にいられると考える・・・。
    誰かと一緒にいるためには自分自身を壊すしかない、という
    このマグネットが最後に下した決断を、リューベン自らも辿ることになる。

    屈託のない9歳の少年を演じる時の方が不思議と無理が無いように見えた。
    友人の死を引きずって生きるという“負の青春”を言葉にのせ切れなかったのか
    再会した3人はずっと同じトーン、同じパターンで会話している。
    最後にシオンが作った機械が動き出したとき
    多分3人の心が堰を切ったように溢れ出すはずなのだろうけれど
    「あれ?おしまい?」と唐突に終わってしまった感があるのは
    そこへ辿り着くまでの葛藤が聴こえてこないから。

    一番呑気に見えたシオンが、実は誰よりも壊れているのではないか、
    トオルも自分を壊したくて、敢えてシオンを裏切り続けているのではないか、
    ゴンゾだけが、後悔の気持ちに押しつぶされ、それをみっともなく晒しながら生きている、
    誰よりもリューベンの近くにいようとして・・・。
    それら全てが吹き出すように伝わってくるのを期待したのだがちょっと残念だった。

    スコットランドの作家による原作は、乱暴な若さ故の悲劇を等身大で見せる
    とても良い脚本だと思うが、消化しきれていない感じがした。
    劇中のダンスが素晴らしく、マグネットをはじめとする「モノたち」の
    失敗と哀しみが伝わってきた。

    スコットランドの洗練されない町の泥臭さが似あわないほど
    イケメンBOYSたちはスマートですっきりした若者であった。
    演じる彼らが、ラストで一気に解放されて花びらの中で号泣するような
    そんな芝居を見せてくれる日を心待ちにしている。



















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    2012/04/21 04:13

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