満足度★★★★★
何かの大正解を見た!
演劇に100%はない、とか、正解はない、とか言われるけれど。
平さんのメディアは完成した上に前進している。
これが最後だなんてもったいな〜い!
子殺しの夜叉を、女の嫉妬の狂気ではなく普遍的な人間の悲しい性質として演じ切っている。生き切っている。これ以上の表現はない。
メディアは今も生きていて、血だらけの服で街に佇んでいるような気がする。
しかし、完成度の高いものを見た時によく感じる自分自身の無力感はない。しっかりしろと温かい大きな手で背中をたたかれるような。優しさに満ちた舞台であった。これはどういう不思議だろう?今も考えている。
女優の仕事とは何だろう。私の心も含めての、弱ささえも表現の力に換えられる時が来るのだろうか…。