満足度★★★★
人の数だけの感銘の視点
「灰二」さんの方を見せていただきました。
素敵な劇でした。それは、ただ良かったという凡庸な感想ではなく、これを観た人、それぞれが、自分のこれまでの生き様を思い出し、関連を見つけ・・・と、異なった思いを持つ劇、という意味で。
テーマがはっきりとしていて、観客の全てが、それに従った感想を持つ劇も、もちろんいいのですが、今回の劇はそうではありません。
たくさんの伏線を孕ませて、個々それぞれのテーマを持って観劇する。
私には、それが成功していると思いました。(失敗して、テーマをつかみそこなうものも多々あります)
参考までに、私のテーマは「人と人との関わりは、本当にあり得るのか」ということでした。その時期その時期に、関わりの深い人がありながら、職場や環境が変わってしまうと、私は急激に「関わり」に興味をなくしてしまうのです。関係を絶つというのではなく、「そのうち必要な時に会えば、話せばいいや」ということですが。
この劇では、当然のことながら解答はありません。
灰二さんの思惑とは異なるのかもしれませんが、私はずっと「漫画家」さんを心の中で追いかけていました。
灰二さんは、どのような意図で彼女を登場させたのかなと、ずっとずっと考えていました。
場面ごとに、「お前、しっかり考えてみろや」と、突き詰められているような二時間でした。
たぶん、これは一人歩きする劇なんですね。
2012/04/08 23:42
このたびはご来場有難うございました!
ご感想いただき、有難く思います。