満足度★
全く魅力が感じられず
ファンタジー系のロールプレイングゲームかアニメのような世界観の作品でした。決して演劇を舐めていたり、手を抜いたりしているわけではないのが伝わって来たので、悪く書くのは気が引けるのですが、脚本、演出、演技、スタッフワークのどの要素もレベルが低く、かなりの研鑽が必要だと思いました。
敵対する村の片方の人々が原因不明の病でほぼ全滅し、生き残った男が相手の村の長老に会いに行く物語で、ヒーロー、ヒロイン、老人、道化といったキャラクターがあまりにも典型的な演技で表現されるので、劇中劇として子供向け演劇のパロディを演じているのかと思い、どのように異なる階層の話に移行するのかを期待していたのですが、最後まで同じ調子で拍子抜けしました。
役者の大半は基礎がなっていなくて、型に頼った表面的な発声・台詞回しになっていて、伝わって来るものがありませんでした。ダンス的な身体表現もポップス歌手のバックダンサーみたいな動きで、物語との関連性が感じられず異物感がありました。
下ネタや駄洒落がかなり多い台詞も滑ってばかりで残念でした。何かと「変態」という単語を多用するのも必然性が感じられず、小学生が面白がって連発しているみたいに見えました。前半で台詞やシーンのループが何回かあって思わせぶりだったのに、後半で活かされていなくて勿体なかったです。
上演時間の8割程度の間、テクノ系を中心とした音楽が流れていて、脚本や演技ではなく音楽に頼って雰囲気を盛り上げていたように感じられたのも残念でした。