ハーフムーン 公演情報 劇団テアトル・エコー「ハーフムーン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    唐沢さんに今後も期待したい
    前回「アラカン」で注目した唐沢伊万里さんの脚本なので、観に行きました。

    個人的な感想としては、正直「アラカン」ほどは面白く感じなかった。

    場内は中高年夫婦の姿が目立ち、男女としてのときめきを失った「日本の中年夫婦」特有の問題が描かれ、改めて夫婦の会話の必要性を思い、反省させられました。

    勘違いやなりすましなど、オーソドックスなシチュコメの手法で笑わせ、今後も唐沢さんのコメディは観たいと思います。

    1時間55分で少々長く感じられ、1時間40分くらいに圧縮するともっとテンポよくなるのではと思いました。

    ネタバレBOX

    夫婦の在り方を見つめなおす目的で、民宿にやってくる遠山夫婦が主人公。

    まず、冒頭のシナリオ作家志望の民宿の次男(加藤拓二)と、遠山の元部下で次男とは幼馴染の従業員桃子(沖田愛)との会話が面白くない。

    「北極と南極くらい住む世界が違う」というのも、笑わせるつもりの台詞なのかもしれないが、

    客はシーンとしている。

    コメディは幕開きが肝心だと思うが、面白くなりそうな予感がもてなかった。

    民宿の兄弟のキャラクター設定が平凡で、役者の「間」もよいとは言えず、この2人が出てくると、テンションが下がってしまうのが難。

    兄役の粟野志門が、台詞をつっかえるのも気になった。

    舞台が、民宿ではなく、民宿の付帯施設の「焼き物工房」なのだが、夫婦が部屋に行かずに延々ここで会話するのが何となく不自然でしっくり感じられない。

    登場人物も、当然、民宿ではなく、いきなり工房に入ってくる。

    舞台と設定上の制約がとても気になってしまった。

    ドリフの「もしも」シリーズの民宿コントのような設定の可笑しさもないし。

    夫婦でつくる骨壺の会話はおかしかったが。


    遠山の夫、藤原堅一の好演が印象に残った。

    シチュコメの「間」が身についている。

    不倫宿の企画者・三島役の森澤早苗は面白い役だが、少々演技がオーバーで鼻につく。

    舞台には登場しない遠山家の隣家の人妻と遠山の夫の関係についての説明も、とおりいっぺんで興味をひかない。

    それだけに、遠山の妻(石津彩)がみんなの手前、隣家の人妻になりすまして夫に皮肉を連発するのが笑いにまで昇華しない。

    遠山の妻が民宿の兄弟と従業員に、愛人と誤解されたまま、工房を去る幕切れも後味が悪い。

    台詞に沿ったハーフムーンのお月様の演出は良かったと思う。


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    2012/04/06 18:12

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