満足度★★★★★
傑作
当日学生半額チケットにて観劇しました。やはり素晴らしい作品、失礼ながら戯曲は立ち読みで済ませてしまい、なんだかよくわからないなぁという印象を持っていたのだが、舞台を観ると全く違う印象を受けました。そして終わった瞬間にこの作品を女性はどのように観たのだろうかというのが一番に気になりました。4世代の女性が集まり場での会話としても非常に説得力があり、シリアスな場面そして重たい空気になる話の内容であったとしてもどこか喜劇的である。それは前半に入れたセリフなどが後半になってどんどんと大きな笑いへと繋がるように作られた脚本の巧みさのように思える。
生理や妊娠といった内容を各世代の人間が様々な捉え方をするが、本質的なものとしてはどの世代でも変わらず、それは大母様であるタマエの台詞から伺い知れることが出来る。
そして一人だけ血のつながりの無いマオが居るのだが、いつも話の中心人物の側に寄り添い、台詞は一番現代の事を発しているのだが、子供という役回りを捨てずに相手の気持ちを汲み取ろうとするのはとても観ていて安心できた。
各人物へのアプローチの仕方や行動などに演出の意図というものがとても感じることができ、この話を一層上の孝美へと引き上げている様に感じました。
そして役者さんの演技が素晴らしかったです。この空気を出し、物語として中だるみも無く1時間45分も進むのは役者さんあってというのもかなりあると思いました。
このような話の中では結局観ている男の自分は傍観者にしかなれなく、さらに20歳の自分ではまだまだ理解できない事も多いので、この作品を観た20〜70代の女性の感想というのが聞いてみたいとおもいました。
最近は前衛的な作品ばかり取りざたされているが、是非とも若い年代の人たちにもこのような作品を観てほしいと思いました。
戯曲本も購入したので再度読んでみたいなと思います。
勉強になりました。ありがとうございます。