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ヒューマンエラー(再演)
観てきた!クチコミ一覧
クチコミとコメント
公演情報
643ノゲッツー「
ヒューマンエラー(再演)
」の観てきた!クチコミとコメント
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アキラ(1498)
満足度
★★★
弱い人間同士が傷ついていく
舞台としての完成度が高い作品。
ネタバレBOX
まず、演出が素晴らしく、その密度が濃い。
音楽や絶えず響く効果音も抜群だ。
そして役者がとてもいい。
後半にいくに従って、ヒリヒリする感じが、演出からも役者からもよく立ち上がってきて、舞台にのめり込んで観たのだ。
そんな内容なのにもかかわらず、笑いまであるというのは驚きだった。
犯罪者だったという負い目から来る「負のオーラ」を放ち、部屋の蛍光灯を消してランタンで暮らす主人公。
彼の世界は、檻のようなセットにうまく表現されていた。
それは、「自分の殻」に閉じこもってしまった主人公であり、部屋は「自分の殻」であり、心の象徴でもある。
そして、彼を取り巻く状況が、1人のジャーナリストの登場によって露わになるときに、その彼の部屋、つまり檻の意味も露わになってくる。
この、観客の疑問を先に延ばしていき、興味を引く演出はうまいと思う。
登場人物たちを舞台の上に上げたまま、その存在を意識させるというのは、主人公にとっての「社会の目」であろう。
それは意識すればするほど、見えてきてしまう「目」なのだ。
そして、刑期を終えて「檻」から出てきたはずなのに、「社会の目」という「檻」にまだいたという主人公の姿となっていく。
「檻」は、彼の被害妄想が作り上げたものではなく、実際の社会もそうだったというところが、ホンネでもあり、この舞台の怖いところでもある。
聞こえるはずのない声が彼の部屋に響く。
ただ、リアルに見えているようで、やはり友人たちの行動には疑問が残る。
もし、本当に主人公に対して嫌悪感を持ったならば、それを本人に告げることはないのではないだろうか。
何も言わずに去っていく。それがリアルではないかと思うのだ。
それをひとこと言うというのは、逆に「強い悪意」を感じてしまう。つまり、友人たちは主人公をそんなに好きではなかったのではないか、と思ってしまうのだ。
だから、彼と友人たちの前半の様子との齟齬を感じてしまい、イマイチぴんとこなかった。
また、人の失敗ということを軸に、主人公の犯罪の結果、周囲に悪影響を及ぼしてしまった(皆も失敗をしてしまう)という展開はわかるのだが、主人公が自殺しかけた友人をかばいながら、「僕たちは弱い人間なのです」というような台詞で、一緒にしてまうのはどうなのだろう。少々飛躍すぎやしないだろうか。また、主人公の、その状況下で、そんな他人事のように言えるのだろうか、とも思う。
「弱い人間同士」が、結局自分や相手を恐れて、自らや他人を傷つけてしまうというのはわかるのだが、姉のエピソードも取り込みつつ、その広げ方、取り込み方がスマートではないので、この舞台は「一体どちらの方向に向かっているのか」が判然としなくなってくるのだ。
ラストに主人公の幼なじみの女性がバットを持って出ていくシーンも、もうひとつピンとこない。ここにまた「負の連鎖」「失敗」が出てきたということなのだろうが、唐突すぎる気がする。主人公たちの犯罪は不可抗力であったかのような展開だっただけにだ。
ラストのジャーナリストの問い掛けは、「お前が言うな」という感じはあるのだが(笑)、弱い人間たちへ放った、悪魔か神の声のようだった。
だから、そこまでがもっと「どこに向かっているのか」「今、何を言いたいのか」「今だからこそ言うべきことは何なのか」というポイントが押さえられていたらなあと思ってしまったのだ。
犯罪歴のある者と、彼の家族や周囲の人への影響、また、それを知ってしまった周囲の人々反応というストーリーはよくあるのだが、そこから、「弱い人間」というキーワードを踏まえて、もう一歩、「人」について深掘りができたのではないだろうか。
演出も役者もとてもよかっただけに、そこが観たかったと思う。
つまり、この素晴らしさを土台にすれば、「もっと行けるんじゃないか?」という思いがあるのだ。
もっと突出していく「何かが」ありそうに感じているから。
あと、主人公を演じた伊藤毅さんは、もの凄くよかった。雰囲気やブレのなさが。
どうでもいいことだが、「劇場の照明を一切使用していない」というのは、あえて説明する必要はなかったのではないだろうか。
照明を一切使用していないのかと思っていたら、効果的に(劇場の照明ではないもの)照明器具を使っていて、その効果はなかなかだっただけに。
(クイーンが1stアルバムで「シンセ使ってません」とわざわざ書いたようなものなのか?・笑)
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2012/03/30 07:52
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