満足度★★★★★
刺激的な舞台!
それはもう本当に素晴らしいものだった。
何が素晴らしいか?
その答えは、美術の一言に尽きる。
いやいや、その美術の特性を120%使い切った演出と出演者のコラボレーションが生み出した奇蹟だとも言える!(なら全部じゃないか?そうですね、全てがうまく噛み合った奇蹟ですから!)
舞台上に吊られた1m20cmほどの竹が、なんと所狭しと吊られている。
ざっと想像するに300本くらい。いや、もっとか?
それらの竹林の中で演者は演技をする事となる。
時には壁に見立て、時には家に、雑草に、林に窓に見立てシーンを積み重ねて行くのだ。
それにあの大塚さんの美麗照明だ。
美しくない訳がない。
しかも!
その竹が吊ってある事により、演者の身体は当然その竹に当たらざるを得ない。
そして、揺れる。
その揺れ巾もひろく、時には天井を平らとして45度を越えるほど揺れるのだ。
おまけにその度に竹同士がぶつかり合うかつんかつんとした音も心地良く、
役者が通った道筋がその揺れで認識できるのだ。
なんという美しさだろう。
しかもしかも!
そのアクトは細心の注意を払わねばならない事態であるともいえる。
一歩間違えれば事故に繋がる要素を多分に含んだものであるからだ。
実際、
その竹は何本かは上の留め金が外れ落ちていた。
吊られた竹を意識しながら、転がった竹に注意をして演技を続けなくてはならないのだ。
こうやって書き起こすだけでも、かなりのインパクトがある。
そうした舞台美術に呼応する演者のボルテージも最高潮だ。
とんでもない緊張感が普通に客席に届いているのだ。
面白くない訳がない。
ひたすらに出演者にも目が向くのは必定。
何とも刺激的な舞台であった。