「1年後の日曜日...」 公演情報 d’UOMO ex machina「「1年後の日曜日...」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    無題329(12-072)
    14:46の回。14:00開場のところ少し遅れる。狭い階段を上がり左手ドアを開けると商店街に向けて大きなガラス窓、その右端には真っ赤な消火栓の標識がみえる。小さなテーブルとクッション、開場したばかりなのに数名座っている(役者さん)。縦長の部屋、真ん中に段差、奥(窓側)が低く舞台に、手前にキッチン、カウンター、受付。こじんまりとしたカフェにお客さんが集まってくる、暦で1年が経った、今日は3月11日、みなさん好きな場所に腰を下ろす。紙コップに飲み物を入れ、当パンと一緒に渡されたピンクのメモ用紙に、昨年の今頃、どこにいたのか書く。段差の所にはちゃぶ台とノートPC、いいお天気、時々雲が陽を遮る、お客さんは同じ方向をみて座っているのではなく、思い思いに、30人くらい。14:46、「Daydream Believer」が流れ…開演、Cheer up。16:22終演、大船に向う。

    ネタバレBOX

    雑記です。
    「モンキーズ」は聴かなかったけど(ビートルズは今でも聴く)この曲はよく耳に…先月末、メンバーのひとりが亡くなりました。このように、劇中、知っている曲がかかると意識が違う方へ揺れ、グルっと廻ってお芝居に戻ります。また、今日は「オンブラ・マイ・フ」がいろいろなバージョンで流れました。きっかけとなったキャスリーン・バトルの公演、1987/5/25、昭和女子大人見記念講堂に行きました。座席は「ヌ-35」とあるのでほぼ中央、ちょっと遠いなという印象以外覚えていません。同じく覚えていないのは、前年の「V.ホロヴィッツ」(86/6,なんとチケットは35,000円…バブル!!)、てことがスッと頭の中をよぎる。

    観て(目)、聴いて(耳)、嗅いで(鼻)、触れて(肌/カラダ)、想像して(意識/経験/感情)、「からっぽ」な状態からは程遠く、雑念の塊であり続けながら、この時、この場所、公演中、目をやると窓の外の色は変わり続け、時間と雲の具合を教えてくれ、室内にそのまま外の色が映り込むのをみます。役者はあまり動かず、お客さんに隠れてみえない時も、声が聞こえ、時々カラダを傾け覗き込むのでした。

    戯曲について。「紙風船」(青空文庫をみると初出1925年、約90年前)。セリフが耳に届く、「大船」ですね、今日はこれから大船、実家、に行くのですが18:00を回るでしょう。八幡宮、海岸、江の島…なじみのある風景が浮かんでくる、江の島からだとモノレールで大船へ帰るのが良い…と考えてしまうのです。

    もうひとつの「メデア」、ここで語られる物語(約2000年前に書かれた?)は感覚の周囲を掠め拡散。神々、巨人、王、英雄…関心はあるものの、「ギリシア・ローマ神話」も「ガリア戦記」も数ページで挫折している(映画だったらいけるハズ)ので、こういった場合、コトバを空気の揺らぎ、音階のように聴くように。

    2011.3.11都内の某高層ビル内で勤務中、大きく左右に揺れます、このまま折れるのではないかと思うほど揺れ続けます、揺れのため防火扉が勝手に閉じ、向かいのビルとは互い違いに揺れていてその振り幅は半端ではありません。ビルの外へ避難。仕事の関係で東北某所と深く関わっているのですが連絡がとれない…やっと連絡できたのは2時間くらい後、家に帰ることができずネットで状況を見続け、翌日午前中も動けず、午後になってようやく…いまだ現在進行形です。

    2

    2012/03/13 17:33

    0

    0

  • こんばんは、昨日(かなり揺れました)から青森県某市にきています。

    帰路は、小田急で藤沢〜東海道線で大船ヘ。「藤沢」という街は、私が社会人としてスタートした想い出深い場所(1年ほどで大阪ヘ転勤してしまいましたが)、多くのことを学んだ所です。街も人も変わり、記憶は急速に薄れながらも、残っているその断片が集まってカタチを創ります。それは正確である必要はなく、「想い出」として、時々、開けることができれば良いのだと思っています。

    好きな場所に座ってよい。どの様なものが演じられるのか分からないけれど、何処にするのか決めなければならない。客席/舞台が仕切られているのであれば、右か左か、前か後ろか…普段は迷わず、最前列・中央。さて、どうするか…窓(の外)がみえる、受付側がみえる、演出家がみえる、全体(お客さんの様子を含めて)がみえる所に座ります。
    ※「外がみえる」というのは、解放感、はじめての場所をできるだけ広く感じていたい、時間を感じたいということだったのかもしれません。

    初めから座っていらしゃる方…役者さん、の様子を伺う。お客さん…お一人であったり、知り合い同士であったり、受付の様子、お店の様子。この組み合わせ、位置関係は、この時限りのもので、時は正確に過ぎ、見聞きしたものは、すぐに「忘れて始めてゆく」…、それでも残っているもの、これを大切にしましょうと思うのです。

    では、次回は「絵空箱」ですね。4月、新しい事業年度、どうも平日の観劇は無理そうですが、土日なら。

    2012/03/15 22:12

    早速の書き込みありがとうございます。

    まずは、
    Twitterの方のまとめが完成しました。ご笑覧いただけたら。
    http://togetter.com/li/271728

    さて、
    あのあと大船にむかうお客さま、ってのは興味深い...、でも位置的に横須賀線ではなく小田急で藤沢にむかって乗換というルートでしょうかね?

    観客が知っている曲、それも上演時の流行ではなく、かつて聴いた記憶が残っているという楽曲は、観客の記憶とつまりは観客や社会そのものときちんと向き合うためにとても重要な機能を果たしてくれると考えています。過去に飛んでいっていただいてそこからどうまたこちらがたぐり寄せるかその往来が作品に付け加えるものこそがその空間を活き活きとさせると考えいろいろな趣向を考えます。実は今回楽曲を本番中に用いるかどうかは最後まで試行錯誤していたのですが、使わなかったプランの方の着地点はもはやわからないので、この選択でこのような感想がいただけることにはほっとしております。

    「紙風船」は関東大震災(1923年9月1日)の一年後に結婚一年後の日曜日を過ごす夫婦の物語です。横須賀線が大船乗換から直通運転に切り替わる頃であるなど、当時の時事を詳細に盛り込んでいることでむしろ抽象的な関係性をより明らかにすることに成功している。

    「Medea」は映画ならばということでしたら、Pasoliniのものがあったりもします。4月に予定している(今回省略というか現在形に改めた)コロスも原本通りに含めた全編の上演をやりますので、そこでまたご意見をおきかせいただけたら望外です。

    2012/03/14 04:19

このページのQRコードです。

拡大