自慢の息子 公演情報 サンプル「自慢の息子」の観たい!クチコミとコメント

  • 期待度♪♪♪♪

    これもまた虚実皮膜の物語か
     昨年の岸田戯曲賞受賞作の全国ツアー。こういう「凱旋公演」は非常に嬉しい。賞を受賞したんだ、観てみたいなあと思っても、たいていの作品はもう公演は終了しているし、場所も東京だったり大阪だったりだ。
     ××受賞作、と言ったところで、演劇の場合は映画ほどには一般人への訴求力がない。岸田賞がそこそこといったところだろう。果たして地方に招聘してペイするかどうかという問題があるのは分かるが、こういう試みがなければ、演劇と観客の間にある垣根は高くなるばかりだ。
     松井周は平田オリザの青年団出身の劇作家だが、岡田利規や三浦大輔に強い影響を受けたという。どちらも現代口語演劇から「一歩」踏み出した作家たちだ。リアリズムとフィクションとの関係を突き詰めた先にどのような演劇的効果が生まれるかを、それぞれの手法で実験し続けている作家たちだと言ってもよい。松井周の演劇が、更にその先にある「結晶」を見せてくれるのかどうかに期待したい。

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    2012/03/13 05:11

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