ダム・ウェイター 公演情報 Amrita Style「ダム・ウェイター」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    身構えた割には
    意外に分かり易く、不条理ってこともないような。

    ネタバレBOX

    イギリス・バーミンガム、ベッドが二つ置いてある地下室に入ってきたスーツ姿の二人、先輩格で几帳面なベンとがさつなガス。会話の内容やピストルを所持していることから、彼らは組織に雇われた殺し屋で、直前に女性を一人殺してきた様子が窺える。新聞には年寄りが車の下に入り込んで死んだり、女児が動物を殺したりの殺伐としたニュースが載っていて、ベンは自分たちの存在意義が霞んでしまうと嘆いてみせる。

    地下室への差し入れはマッチだけで、しかもヤカンに火を点けようにもガスは遮断されている。次の仕事が来るまで待機しなければならないのに、それなりに組織に貢献しているであろうに、なぜだろう、待遇が悪過ぎるように思える。

    気が滅入っているところに料理用エレベーターから料理の注文が来る。ガスの持っているお菓子などを上に上げたりもするが、元々この建物がレストランだったというだけのことで、上の階にいる組織の誰かがからかっているのだろう。

    料理用エレベーターの脇には伝声管があり話はできる。ガスが流しの方に水を飲みに行ってしばらくすると、伝声管から呼び出しがあり、ベンが出ると、次に部屋に入って来る人間を殺害せよとの司令が下る。ベンがピストルを構えて待っていると、ドアが開き袖のちぎれたワイシャツ姿のガスが飛び込んで来る。…で終了。

    流しの奥で通路を見付けたガスは組織の誰かに待遇の悪さを訴えでもして、殴られて地下室に逃げ帰って来たようにも見えますが、事態はもっと深刻だと思います。不覚にも上層部の顔を見られてしまった組織としてはガスを生かしておくことができず、ベンに殺害を命じたのではないでしょうか。

    殺し屋はあくまでも組織に雇われた末端の存在です。雇い主との接点は無いに等しいくらいのトカゲの尻尾以下の存在です。雇い主の司令に従うプロの殺し屋としてベンは必ず撃つでしょう。

    ところで、二人が最初に部屋に入ってきた時点でストーリー性を感じました。二人の意志で入ってきたのですから理由があるはずで、次の展開も本人たちはある程度予想しているはずです。不条理劇だったら、二人は初めから部屋にいて何で俺たちここにいるんだろうって顔をしているだろうなって思いました。

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    2012/03/10 21:16

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