繭 公演情報 reset-N「」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度

    拒絶
    呆然。たしかにリーディングなどを得意としてきた団体ではある。前々からそういう兆候はあった。しかし、だ。がっつりこっちに舵を切ってしまうとは、長年のリセットウォッチャーである私ですら思わなかった。いや、むしろ長年のリセットウォッチャーだから気がつかないというべきか。とにもかくにも、夏井氏がフランスで「生まれ変わった」証は見せつけられた。

    ネタバレBOX

    内容はチラシ等にある宣伝文から伺えるとおりの最終戦争モノ(戦争というか、テロリズムに脅かされる社会というか)。放射能におびえる国(日本とは明言しないが、まあ日本)の女帝が、宮廷内の人間に振り回される様子を描く。すげー90年代の終わりによくみたかんじ。古いなあと思うが、まあ古さとかはどうでもいいんだ。古かろうがなんだろうが、作品が素晴らしければそれでいい。

    問題なのは、様式美にこだわるあまり、観客が置いてけぼりをくらっているということ。そこに気がついているのか?お膳立てをしてあげなきゃついていけない、そんな程度の低い客はもういらないということなのか?この入っていけなさ加減にびっくりする。

    リーディングや落語がきつい制限を加えられながらも観客を魅了できるのは、想像に訴えかけ、狭いお座敷空間を越えていけるからだ。座っていながらも、心は座っていないというそのダイナミズムが魅力なのです。自由度の高い演劇という表現形式を選んでいながら、わざわざあの陣形に座らせるのとは180度意味合いがちがうのだ、と私はおもう。

    凄まじい緊迫感。それをストレスととってしまった時点で、私はこの芝居に拒絶されていることを自覚した。

    復帰後第一作にあたるこの作品は、これからのreset-Nがどうなっていくか、いきたいかを示す決意表明になるのだろう。たぶんわたしとはもう、別れる運命にある。悲しかった。

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    2008/01/24 13:04

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