満足度★★★
「やさしい」作品
初めてカッコカリさんの作品を観させて頂きました。
最初に、他の方の書き込みにありましたが、年配のお客様は入口に近い席にご案内するとか、途中入場への対応とか……場内スタッフや役者さん、公演もまた「劇団全体のチームワーク」だと思いますので、次回の改善に期待したいと思います。
作品自体は、野球、戦時中の日本、現代の人物と過去の人物の出会いと別れ…決して目新しいテーマではないのですが、整ったストーリー展開と暗転を極力しないという最近流行り(?)の見せ方、スクリーンを使ったりと、おそらく低予算の中で作られる舞台としては凝っている部分も多々あって、飽きずに見るコトが出来ました。
役者さんのお芝居も上手で安定感もあります。作品そのものも分かり易いし、観やすいなーと思います。
欲を言えば、やさし過ぎるというか、全部やっちゃった感というか。
セリフでも時々、言わせ過ぎなセリフが正直、あったように思います。観客側の「察すること」とか「気付き」に任せずにセリフで言っちゃう。動きや演出でやって見せちゃう。……これだと感動が半減しちゃいます。暗転を減らすのも大切ですが、実はあの「間」だって、時には余韻の「間」だったりもするんですよね。
脚本とか演出とかお芝居とか、お客様を信頼して、ちょっと冷や冷やギリギリのボールを投げてみる、それをビシッと受け取ることが出来たお客様とは信頼関係(ファン)が出来るのかも知れません……とかナマイキですみません。
安心して「作品」として観られるのは間違いのない劇団さんだと思います。
観客の「観る力」をもう少し信頼して頂けたら、生の舞台として「楽しめる」のかなあと、思いました。