不機嫌な子猫ちゃん 公演情報 水素74%「不機嫌な子猫ちゃん」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    誰がために
    とんでもないものを見てしまった。理屈でギッチギチで、不条理なのに現実につきつけて考えさせられるし、笑えるし、でも気持ち悪い。これは、また一つ気になる劇団を見つけたなぁ。良い意味で、すっごい居心地の悪い空間だった。

    ネタバレBOX

    私があなたといたいのは、あなたの気持ちとは関係ないから、勝手にあなたと一緒にいようとする。依存したり味方である事だけが家族ならとても息苦しい。でも血なんかつながってなくても家族でいられるってのは新鮮。登場人物達がみんな、一生懸命味方を探して、依存しようとするのはとても異常に見えるけど、とても人間らしいなぁと思いました。

    ある母娘の住む家。門限を過ぎても帰ってこない娘(市子)を母(愛子)は外へ探しに出掛けている。家には、叔父(隆史)が一人留守番している。帰ってきた市子に、隆史は「俺が父親(代わり)になってもいいい。君がまっすぐ育つために」と言い出す。暴力に訴えながら執拗に迫る隆史へ「母が心配だから迎えに行きたい」と市子が訴えると、隆史は代わりに迎えに行くと家を出て行く。

    入れ替わりに家にやってくるのは、市子が出会い系喫茶で知り合った男(中島)。中島は、市子の制止も無視して執拗に「お母さんに挨拶して一緒に住む事を認めてもらおう」と言う。「君だけは僕に嘘をつかずに味方でいてくれるよね」と迫る。しかし実際は市子はニートであることも年齢も中島に偽っている。帰ってきた愛子は、市子の帰宅を喜び、中島を追い返そうとする。「あなたのやることに反対しない。でも、あなたがいなくなったら……(カッターを取り出し手首に当てる)」と脅す愛子。お母さんのやってる事は冗談なんだから早く僕の家に行こうよと迫る中島。隆史が帰ってきて、中島に立ち向かうもあっさり押しやられてしまう。市子は中島に外へ連れ去られる。

    残された隆史は愛子に、「僕は姉さんの夫になってもいいと思ってる」と迫るも、「私には市子が必要だ」と言われ、隆史は家の奥へと逃げる。新たに家に来訪したのは、市子の友人(道子)。道子は「市子が家に帰ってこない」と愛子に呼び出されたのだ。愛子はとっさに「市子は帰ってきて寝てるから帰ってくれ」と言うも「市子さんにこういう事はもう止めてほしい」と直接言いたいと居直る道子。あなたは関係ないんだから帰れと言い続ける愛子に理不尽さを感じた道子は「この世界はあなた達2人のものなんですか」と言い返す。平行線の2人の前に、女装した隆史が現れ「不完全な私だけれど、もっとキレイになるから私を娘として受け入れる努力をして」と迫り、愛子もそれを受け入れようとする。それならば私を娘にして、と道子も迫り、愛子は道子を娘にする。

    そこへ、中島をカッターで刺して殺したと市子が帰ってくる。しかし、愛子は私の娘はこの子(道子)だと言って、市子に帰れと迫る。腹にカッターを刺したままの中島も家に戻ってくる。隆史は「もっとキレイになるから私を守って」と中島にも迫るも一蹴される。結局、市子は中島を背負って家を追われて外へ出る。家の中では、愛子と道子が「お母さんの子に生まれて良かった」「私があなたを産みたいから産んだのよ」と抱き合う姿が演じられ、暗転。

    不条理だけど、わかりやすいのが良い。このバランス感覚、すごいなぁ。

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    2012/02/19 22:26

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