昆虫美学 公演情報 角角ストロガのフ「昆虫美学」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    賛否両論
    個人的には楽しめたが、気分の悪くなる芝居であった。
    役者陣は好演、舞台美術もグッド。
    脚本、演出は賛否が分かれる内容だと思う。
    上演時間約120分。

    ネタバレBOX

    実際の犯罪をモチーフに、ある家族の崩壊を描いた作品。

    <個人的な感想>
    演出は猟奇的な犯罪を感じさせ、私には好みであった。
    また役者陣も各々の役柄を好演しており、上手いと思った。
    個人的には、犯人吉田役(犬塚征男さん)の憎らしい様、
    ペットショップ店員(椿かおりさん)の不気味さが良かった。
    舞台美術も狭い空間を上下にうまく使いわけており、良かった。
    (上:犯人宅の居間、風呂場、道路 下:金井家、ペットショップ、会社)


    しかし、脚本については、観客目線とは感じられなかった。
    私は「こういう作品なんだ」と割り切れたが、
    客観的に観たら、明らかに理解に苦しむ内容であった。

    「何で犯人の理不尽な要求に対して、そういう風になるのか」といった点が
    全く説明されずに芝居が進んでいく。
    暴力シーンばかりが目立ち、不愉快に感じる観客がいてもおかしくない。

    これは本当にあった事件ということであり、脚本を作成する側からは
    結論が見えているからだろう。
    そこを説明していては、時間が足りないかもしれない。

    しかし、何の知識もなく、普通に観て理解できる内容であることが
    一般客の要望である。

    商業芝居である以上、観客満足度を高めるのは、「観客側の観劇数や知識
    の問題」ではなく、「劇団側の仕事」であると思う。

    その意味では、個人的には成功したとは言えないと思える。
    芝居の主役は「劇団」ではなく、「観客」であるというのが私の持論である。

    脚本、演出のこだわりまで想いをはせる一般客はほとんどいないと思う。
    例えば、ラーメン食べに行って、「美味しいかそうでないか、自分の好みの味かどうかくらいしか考えない」のが通常の一般客である。
    ラーメン店主のこだわりに想いをはせるのは、マニアか同業者だけである。
    美味しくなければ再店はないでしょう。

    好みの劇団なので、あえて厳しいことを書かせて頂いた。
    脚本・演出家の角田ルミさんには注目しているので、
    次回公演も観劇したいと思っている。

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    2012/02/19 11:29

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