スパルタクス 公演情報 JAPAN ARTS「スパルタクス」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    圧倒的なエネルギー
    古代ローマ帝国時代、反乱を起こしたものの悲しい結幕を迎える奴隷の男、スパルタクスの物語を、エネルギッシュで勇壮なダンスと音楽で描いた作品で、この作品を十八番としているボリショイ劇場が10年ぶりに日本での上演を行いました。
    ダンサー達とオーケストラの強烈な迫力に圧倒されました。

    物語が展開するシーンは舞台全体を使ったダイナミックな群舞で進め、登場人物の心情を描くシーンは紗幕を下ろした手前で青みがかった薄暗い中をスポットライトを浴びて踊るソロとなる、分かりやすい構成の演出が単調に感じられましたが、他のバレエ作品では見ることの稀な、20人以上の男性だけで踊られるロシアの民族舞踊を取り入れた群舞の躍動感が素晴らしかったです。

    男性アンサンブルの迫力に比べて2人の男性ソリストは序盤は存在感が弱く感じられましたが、次第に乗ってきて激しい跳躍や回転を連発し、見応えがありました。スパルタクス役のパヴェル・ドミトリチェンコさんは連続ジャンプや片手でのリフトなど難度の高い技を決めつつ、苦悩する青年の感情も良く出ていました。
    ローマ軍指揮官の愛人、エギナを演じたマリーヤ・アレクサンドロワさんは精度の高い身体のコントロールで安定感を保ちながら表現力豊かに踊り、とても魅力的でした。

    曲自体は当時のソ連の文化的状況もあって、1950年代に書かれたものにしては古風で展開に乏しい感もありましたが、オーケストラがいかにもロシアのオケといった感じの特徴的な音色と豪快な演奏で、堪能しました。
    オケピットに入っての演奏なので、小さめの編成だったのですが、演奏会での大編成オーケストラに劣らない音量が圧巻でした。

    女性ダンサーが中心となって繊細な情感を表現するという一般的なバレエ観とかなり異なる作品で、スポーツを観ているような爽快感が溢れていて、多少の粗も気にならずに楽しめました。

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    2012/02/01 23:22

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