満足度★★★★★
新しい形のファンタジー
静かに進んでいくストーリーが終わり、不思議な余韻が残った。
この舞台には現代的な課題や要素がふんだんに盛り込まれていたけれど、見終わった後に、自分が見ていた世界は果たしてこの世のものだったのかと疑ってしまう。
この舞台は現代のファンタジーなのだと思う。
キャストはそれぞれの方向を向いていたけれど、その中心にいる主演の西条美咲が、そんな彼らを深いところに繋ぎとめる役割を果たしていた。
不思議な世界を、ベロニカは駆け抜けていき、その姿はまるで現代版アリスのようであった。
(どのような不思議な世界かというと、あのエドはるみでさえ、普通に溶け込んでしまうような!、そんな世界である)
西条美咲が主演となることで、この舞台は深みを持ち、ファンタジーとしての奥行きが出たのであり、そうした存在になり得る彼女の女優としての新たな可能性を感じた。
初日だったため、全体的に固さが見られたが、2日目以降はさらに完成された舞台になりそうだ。
時間が許せば2回目も見に行きたい。