乱歩の恋文 公演情報 てがみ座「乱歩の恋文」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    尺の長さと舞台の広さを質感に変える手腕
    半生を物語るボリュームがしっかりあって、
    それを重たく感じさせない
    刹那ごとの広がりや奥行きがあって。

    広い劇場の舞台が生かされて、
    初演の時と比べても物語に錯綜感がなく、
    観る側をより圧倒する力が生まれているように思いました。

    ネタバレBOX

    王子での初演時の印象がしっかり残っている作品で、
    物語としての肌触りや求心力は
    その時の良さをそのまま残した感じ。

    ただ、劇場の広さがしっかりと生かされていて、
    しかも、そのことにより舞台上の密度が薄まるのではなく、
    さらに奥行きから醸し出されるものが加わり
    高まっているような感覚があって。

    次第に夢と現の比率が変化していく
    その空気のありようや
    個々のシーンのニュアンスがまっすぐに伝わってくるような感覚が
    さらに観る側を強く物語に引き込む力になっていたように思います。

    美術や役者たちのお芝居の伸びやかさを含めて
    この劇場との相性の良さを感じたりも。

    観終わって、すでに見知った物語であり舞台であるにも関わらず、
    記憶と交わることなく
    場ごとのニュアンスに新鮮さを感じさせる力もあって。
    逆にいえば再演を繰り返すことのできる
    劇団としての
    レパートリー的な力を持った作品であることも
    実感できました。

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    2012/01/29 07:59

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