満足度★★★
夜の部鑑賞
隅田公園に建てられた仮設劇場(といっても立派な造りでした)での公演で、新年最初の公演に相応しい華やかな作品2本でした。歌舞伎は数回しか観たことがないので、あまり深いところまでは感じ取れなかったのですが、休憩を含めての4時間を飽きることなく楽しめました。
『寿曽我対面』
五郎、十郎の曽我兄弟が父の敵である工藤祐経の所へやって来る物語で、古めかしい台詞や、ギリシャ劇のコロスの様に一列に並び順に台詞を繋げて行ったり、何度も見得を切ったりと非常に様式化された演出が興味深い作品でした。
勘三郎さん演じる兄・十郎の慎重さと橋之助さん演じる弟・五郎の気の荒さの対比が楽しかったです。派手な化粧や衣装も華やかで素敵でした。
『於染久松色読販』
お染と久松の悲恋の物語を中心に様々なエピソードが絡み合い、陰惨なシーンからコミカルなシーンまで盛り沢山な作品でした。お染、久松を初めとして7役を次々に演じた七之助さんの演じ分けが見事でした。小道具やセット、身代わりの役者を用いての早替りが楽しかったです。第3幕は舞踊が中心で繊細な表現から豪快なアクションまであり、華やかでした。
大道具が可動式になっていて、幕を閉じないまま行われるダイナミックな転換も楽しかったです。