ハムレット 公演情報 劇団東京乾電池「ハムレット」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    肩透かしをくらった
    この作品が今年、初観劇となりました。

    35周年記念公演、「ハムレット」ということで、過剰に期待したせいか、見事に肩透かしをくらった気分です。

    この劇団のファンなら、別の楽しみ方もできたのかもしれませんが。

    シェイクスピア劇としては不満が残りましたが、このような大胆な試みをやること自体、東京乾電池の新陳代謝の良さなのかもしれません。

    ともあれ、劇団活動を35年続けると言うのは大変なこと。

    カーテンコールでの柄本さんの挨拶を聴いていて、同世代でやはりご夫婦で演劇をやっている平田満さんの場合もそうなのですが、気負ったところがなく、根っから芝居が好きで続けているというシャイで謙虚な人柄がにじみ出ていて好感が持てました。

    これからもお元気で、と願わずにはいられません。


    ネタバレBOX

    若い役者の大半が、台詞を覚えるのが精いっぱいという感じ。

    滑舌がかなり悪い人もいて、失礼ながらよく入団できたな、と思ってしまいました。

    俳優たちの早口で棒読み、無表情は、演出上狙ってやっているとしても、稚拙さが強調されてしまい、気になりました。

    一番違和感を感じたのは、ガートルードの不貞ををハムレットが責め立てる場面。罵倒されたガートルード(宮田早苗)が全然感情を出さず、さしてショックも感じていないみたいに演じ、ハムレット(田中洋之助)も迫力が足らず、茶の間で親子が口げんかしてる程度にしか見えず、意図的演出なのかもしれませんが拍子抜けしました。

    劇中劇の王(沖中千英乃)、王妃(吉橋航也)を男女逆転の配役で演じ、王が狂言と義太夫、王妃が歌舞伎と能楽を取り入れたパロディーになっていたのが面白い。

    王妃はロングヘアを鏡獅子の毛のように振りまくる。ここは両者大熱演で楽しめました。吉橋さんは大学生のころから観てる役者さんですが、卒業後、観たのは初めて。

    ベンガルさんは冒頭の場面での台詞がおぼつかない感じで、息継ぎも変に感じました。

    ポローニアスの谷川昭一朗さんはシェイクスピア劇の中の人になっていたと思います。

    そして、やはり、柄本明さんの墓堀はセリフ回しにも妙味があり、相棒の綾田俊樹さんとのやりとりも原作通りやっていても面白く、惹きつけられました。

    「役者の演技は一朝一夕にはいかないぞ、特にシェイクスピア劇ともなると、背負った人生が出てくるんだ」ということが示したかった公演なのかとさえ思えました。

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    2012/01/18 16:06

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