STRIKE BACK 先輩 公演情報 芝居流通センターデス電所「STRIKE BACK 先輩」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    この時期観るにはかなり陰惨
    幸せな音楽流れ、街に笑顔が溢れるこの時期、完全完璧に
    異物感発し過ぎな作品でした。あらすじの前半は、ここの
    「説明」欄にある通りですが、後半はもっと陰惨になっていきます。

    ここでの「陰惨」というのは、「残酷」というより、皆に平等に
    「救いが無い」、がずっと近いですね。

    ネタバレBOX

    ふとしたことから殺人の片棒を担がされるようになった三木夫妻は
    その後もブラックホールに吸い込まれるように、「先輩」こと樅山の
    指示するままの人形となっていきます。

    動機はよく分からないのですが、樅山は自分に対する絶対的な
    権力を背景に、自分の取り巻き達に親族を殺させ、その死体を
    自分のホームグラウンドである猫カフェの地下で解体させている、
    言い方妥当か知らないけど、一種の殺人狂。

    口癖は「皆が平等に幸せになる事が俺の望み」。
    本当のところは、「皆が平等に不幸せになって」いきます。

    愛理は死体処理のショックから立ち直れず、正常を保つ為に
    玉沢さんに教えられた「自分の周囲の何かを数える方法」を
    保つうちに、余計常軌を逸していく。

    一方の直人は、樅山を嗅ぎ回る刑事を片づける為のひと悶着に
    巻き込まれ、左足を撃ち抜かれた結果、よりによって既に正常を
    一歩飛び越えてしまった自分の妻、愛理によって足を麻酔無しで
    切り落とされることになる…。

    ここまでで相当ダークな話ということは想像に難くないのですが
    時折わざとらしく挟み込まれるギャグやネタが何とか観客を
    決定的に落とさないよう、最高の効果をもたらしています。
    多分、そのおかげで最後まで観られた人多いと思う。

    とにかく人があっさり死んで、ゴミのように解体されていきます。
    敢えて生々しくは描写されない解体模様や血潮が、異様な程
    真に迫った狂気ぶりと相まって、凄絶さを増しています。

    何だろう… 樅山を頂点として、「愛」とか「承認」を奪い合って
    生きている人達の連鎖がそこにあるんですよね。皆、自分は
    凄い、凄くない、誰かに認めて欲しい、の感情で溢れてます。

    そこを、地元の「絶対的な存在」(と、皆が無条件に思い込んで
    いるだけ)の樅山に上手いように掌握されているのです。猫カフェで
    鎖につながれているように、誰もそこから逃げられない。

    最後も、殆ど救いの無い、でも何故か感動的なラスト。
    ヘンにわざとらしくない展開は賛否分かれると思うけど、
    無理に明るく〆ないところは、個人的には好感触。
    というか、ハッピーにもっていきようがない、のが正直なところ。

    「信じない!」の連打、残酷だけど、どこか真実。

    葛木英と吉川莉早可愛らしい。配役マッチし過ぎだと思います。

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    2011/12/25 10:25

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