うつくしい世界 公演情報 こゆび侍「うつくしい世界」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    初見
    説明通り、ふうせんにんげんとその彼女の周りの、いびつな物語でした。ちょっとブラックな部分もあるメルヘンチックな作品で、想いは美しいかもしれませんが、イマイチ、世界観に浸りきれず、、、

    ネタバレBOX

    メルヘンチックなファンタジーは好みなのですが、部分的に違和感を感じてしまい、世界観に浸りきれませんでした。

    空気汚染が進んで、空気の配給が行われている領土という設定が、個人的過ぎますが、妙に生々しく感じ、世界観に浸れませんでした。

    生まれた時から、ふうせんにんげんだったニカロに、普通の生活は不可能なのでは?
    外出できず、家のみで勉強し、友達もいないのが、自然なのでは?
    病弱なピコが憧れる学校の人気者には、なれないのでは?
    ・・・と言うか、生存してられるのが不思議な設定と、思ってしまった。
    突然変異で、ふうせんにんげんに、なった方が、理解しやすいと思った。もしくは、本人の好きな人(両親や大切な友達や彼女等)限定で、好意的な言葉をかけられると、膨らんで破裂してしまう方が、まだ納得できるような。。。?
    だったら、日常生活も可能だと思われるのですが・・・
    全ての作品で、つじつまが合うわけも無く、気になる事がたくさんあっても、そんなのどうでも良い、面白さや感動に包まれる事も、あるのですが、今作品は、気になってしまい、、、

    それでも、貧しいながらも明るく生きているピコ(浅野千鶴さん・味わい堂々)とウピ(小石川祐子さん)姉妹の登場で、世界観は、見えてきました。2人の純粋さ無邪気さは、とても良く、惹き付けられました。
    ピコが、窓から出入りする姿も、キャラらしく、可愛くかった。
    2人が、セロテープで遊ぶ姿も、無邪気で可愛く、テープがキラキラ光り綺麗で、メルヘンチックでした。

    しかし、この二人が秀逸過ぎたのか、一部キャストの力量不足も、世界観を断片的にさせてたように、感じてしまいました。

    綺麗な空気を作り出す存在の実態は、『バラ』と呼ばれる、フウセンにんげんというのも、、、空気が足りないのに、ふうせんにんげん一人(数人かもしれないが、はっきりした数は、出てこなかった)で、まかなえるのか?
    勝手に想像してしまった、その図も、不気味すぎて・・・
    本当の植物の方が、理解しやすかったです。
    しかも、現『バラ』は、女王の父親・・・も生まれた時から、ふうせんにんげんならば、女王の存在すら、難しい。女王の悲哀や、非情さの理由等も有るはずだが?何度も登場する女王だが、非情なだけで・・・その辺の見せ方(セリフや演出)を工夫すれば、作品の厚みを増す事も可能だったのでは?と、思ってしまいました。

    ニカロの体が膨らむ姿も、シャツの間から、赤い風船が膨らむのが、あからさまに見えてしまい、覚めてしまいました。
    赤い風船は、ニカロとピコの、素敵な思い出だったはず・・・
    せめて、肌色っぽい風船にして、シャツの色を黒紺等の濃い色にすれば、体が膨らんでシャツがはち切れそうになる図に、なったと思いました。

    ベタ甘なメルヘンにはしたくないというのが、作者の心情かもしれませんが、陰の要素の描写が、とって付けたかのように、感じてしまいました。
    《長所と短所は紙一重的》な、物事の多面性でも、陰を見せる事はできると思ってるだけに、この世界観に浸れず、残念でした。
    煙突を利用した畜空機や、シャボン玉の演出等、好みの部分もあるので、違う作品も観たいと思いました。

    ニカロ(猪股和麿さん・ぬいぐるみハンター)も、とても良かったです。
    ヤドーナ(佐藤みゆきさん)顔もほとんど見えず、セリフも少ないのに、手足の隅々まで行き届く表現力は、さすがでした。

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    2011/12/24 13:47

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