流星ワゴン 公演情報 演劇集団キャラメルボックス「流星ワゴン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    涙が止まらないのが悔しい。
    原作モノの舞台化に関しては右に出る劇団はいないと思っているキャラメルボックス。
    2011年を締めくくるは重松清さんの大ヒット作『流星ワゴン』の舞台化!
    これまでの原作付のキャラメルボックス作品は大抵は原作を既読で劇場に行っていたのですが、恥ずかしながら今回は未読。
    ですので原作との相違点などは分からないですが、その分新鮮な気持ちで観劇が出来ました。

    ネタバレBOX

    まず構成の上手さに“ヤラレた”と思いました。
    小説の舞台化となると“地の文”をどのように表現するかというのが一つの大きなハードルだと思います。
    これまでのキャラメルボックスの原作付作品では、巧妙な独白などでそれを実に上手く表現していたのですが、今回はそれとはまた別の形。
    物語の登場人物とは別に“読者”を登場人物として登場させることで、読者と人物のやりとりによって実に巧みに物語を進めていくという手法。
    自分も脚本を嗜んでいる身として、心底“ヤラレた”と思いました。
    これは実に合理的かつ感情の流れを損なわずに最大限に原作の情報量を舞台に乗せる手法だと思います。
    自分もいつかやってみようか(笑)

    さて、本編に関してですが、恐らく観劇する側の性別・年齢によって随分と感じ方が違うのではないかなと思いました。
    物語のキーになる3人の“38歳男性”
    3人はそれぞれに環境こそ全くことなるものの家庭を持ち子供を持つ身。
    その3人の物語を誰一人として損なうことなくしっかりと描き上げている。

    私は家庭こそ持たないものの30代の男性という点では大いに共通点もあり、気がつけばこれまでにないほどに物語に感情移入して観劇をしていました。

    正直な話を言いますと、これまで観劇をしてきた中で一番涙を流した作品だと思います。

    目の前がかすれるから泣きたくないのに涙が止まらないくて悔しい。


    余談ではありますが、近くに座っているお客さんはすすり泣くを通り越して“ヒックヒック”と声をだして泣いておられました。
    こんなのも観劇をしていて初めての経験。

    年末に実に気持ちのいい、頑張ろうと心から思える作品に出逢えたことを本当に嬉しく思います。










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    2011/12/23 15:57

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