ソウル市民五部作連続上演 公演情報 青年団「ソウル市民五部作連続上演」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ソウル市民1939・恋愛二重奏
    1939年11月、ソウル。日中戦争からすでに二年が経過し、日本国自体は、長期にわたる戦争状態という泥沼にのめり込んでいた。一方、30年代中盤から始まった好景気、軍需景気の影響を受け、満州への中継点としての役割を担う京城は、虚構の繁栄を謳歌する。国家総動員法の制定、欧州での世界大戦勃発、迫り来る軍靴の音に耳を澄ましながら、相変わらず、篠崎家の人々はそういった世相とはかけ離れた生活をし、つかの間の恋愛に興じる。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX


    裏日記はこちら→http://ameblo.jp/misa--misaki/

    今回で4編目を観たことになるのだが、全体を通してみると篠崎家の人々は「桜の園」に登場しそうな人たちで、やはり浮世離れしているように感じた。だから当事の戦争勃発の緊張感や戦慄はまったく感じられない。また今回のタイトルは恋愛二重奏となっていたが、ワタクシはどちらかというと、寿美子と昭夫の夫婦のズレを露呈させた舞台だったように感じた。

    戦争という地獄を見て帰ってきた夫・昭夫は人が変わったように遊びや女に興じて全く働かなくなった。そして寿美子の父・謙一に小遣いをせびる様な始末だ。そんなことから夫婦関係は次第に冷え込む一方だった。昭夫役の古屋隆太が実にいい。彼ほどヤクザ的な・・ってかチンピラ風な役をやらせたら右に出るものは居ない。やさぐれ感のある演技力が素敵だ。

    また昭夫が働かなくなったことから家族との折り合いが次第に悪くなっていく光景や昭夫の疎外感や孤独が見事に描写されていたと思う。また1編と2編で堀田家の妻・律子役だった松田弘子が今回は篠崎良子(母)役を演じており、まるで騙し絵を観ているようだった。笑

    今回の余興はドイツ人のヒットラーかぶれ。笑

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    2011/12/16 14:07

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