スピンドクター 公演情報 劇団 東京フェスティバル「スピンドクター」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    スリリングな展開
    offoffのサイズとは思えない役者の厚みが、作品に現れている。
    笑いもありつつも、コメディではなく、政治とマスメディアを扱った正攻法な一幕モノ(おちゃめな展開もありつつの)。

    ネタバレBOX

    朝倉伸二さんが主人公のようなので、前作のような感じのコメディかと思っていたら、正攻法な一幕モノの台詞劇。
    これがとっても面白い!

    まず、役者の厚みの付け方がうまいのだ。天宮良さんが重しのように効いていて、かつ、矢代朝子さんの女性首相が、政治家の空気の作り方がうまく、安心して観ていられる。
    台詞のキレの良さ、立ち居振る舞いも素晴らしい。

    若い役者さんたちも、いい味を出していた。

    そして、戯曲がとてもうまいのだ。
    観客の興味をグイグイ引っ張っていき、それがすてべが首相のオフィスのみで行われる。
    狭い舞台の上なので、出はけのうまさもあり、「見せたい」場面に観客の意識がきちんとフォーカスされるようにできている。

    今回、主人公とも言える、朝倉伸二さんは、今まで観たことのないような、戦略的な知恵のある役で、かつ、もともとの持ち味である、一筋縄ではいかないような、裏にも通じているという雰囲気も醸し出し、実際にそういう姿を見せつつ、ストーリーを終息に向かわせる。
    この配役もいいのだ。

    問題解決のために、代替案や伏線を張っておくなどの、観客に「穴」を見せない気配りも効いており、「これってどう決着がつくのか?」という興味で楽しめる。

    ラストは少々取って付けたような感じもあるが、中盤に編集者のバイト女性に「盗聴器はどこに?」なんて台詞を言わせて、ラストが突拍子もない感じにしないという布石の置き方も見事。

    情報戦を手際よく切り抜けてきたように見せての、ラストなので、魑魅魍魎の跋扈する場所が政治なのだ、という印象を強くする。

    ストーリーのピークの作り方や、ラストへのスピード感など、本当に観客の気持ちをうまくコントロールしてくれている。

    そして、いい感じに笑いが振りまかれており、リアルな中に、元ヤンの閣僚の活用なんていう、ちょっとおちゃめな解決策を入れつつという塩梅もいい。

    前回の会場よりややサイズが大きくなったが、次回はもう少し大きな舞台で観られるようになるのではないだろうか。
    前回も面白いと思ったが、今回もそれを上回る面白さだった。
    すでに次回が楽しみになっている。

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    2011/12/16 07:10

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  • ご来場いただき、ありがとうございます!
    おちゃめで正攻法な一幕もの・・・的確な寸評をいただき、感謝です。

    2011/12/19 10:02

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