流星ワゴン 公演情報 演劇集団キャラメルボックス「流星ワゴン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    キャストは好演してるけど…
    たぶん、原作のせいだと思うのですが、どうも気持ちが入り込めませんでした。

    父と息子の関係はうまく描かれてるようにも思うけれど、どうにも、この登場人物の二人の母親像に納得が行きかねます。

    主人公、永田役の阿部さん、初舞台から拝見している三浦さんの役者としての器の広がり、今のキャラメル現役で一番好きな西川さんの安定した演技が良かったけれど、ぶっちぎりの好演は、林さん演じる健太君。
    本当に、男子小学生に見えて感服でした。

    ネタバレBOX

    重松さんのこの原作本は未読なので、明確なことは言えないのですが、坂口さん演じる読者がこの原作を読んでいるという設定から考えると、内容は、原作に忠実なのだと解釈します。
    それに、成井さんはいつも、それほど、原作を逸脱する脚色はしない方だから…。

    とすれば、私の不満の原因は全て原作のせいということになるのですが、どうも、ここに登場する二人の母親、永田美代子と橋本仁恵の行動が、私には全く理解不能です。

    確かにこういう人物は世の中にたくさんいるのかもしれませんが、他者との関係性において、この二人は、あまりにも、ありえない行動をしているんですね。

    中学受験で息子が日夜勉強に頑張っている頃から、挫折して、公立に進学し、イジメで不登校になり、家庭内暴力にまで追い詰めれて行くまで、美代子は心の隙間を埋めるためだか何だか知らないけれど、何年も出会い系サイトで知り合った見知らぬ男性と肉体交渉を続けていて、それを、たとえ、過去から来たとは言え、夫が非難も問い詰めもせずに、寛容に受け入れるというのも不可思議だし、あんなになさぬ仲の夫と息子の架け橋になろうとしていた良妻賢母の鏡のような仁恵が、愛する夫と息子の事故死の後、1年もしない内に、再婚してしまうというのも、どうも解せませんでした。永田の父親に「橋本さんの奥さん」と呼び止められ、頷いているので、別に、事故で記憶喪失になったわけでもなさそうだし…。

    そう言えば、以前、何冊か読んだ重松作品も、皆、女性の描き方に不満があったことを思い出しました。

    客席の多くのお客様(いつものキャラメルとは全く客層が違うけれど)は、鼻をすすって泣いてる方が多かったので、変に正義感や道徳心が強い私には、個人的に不向きだっただけとは思いますが、橋本父子や、永田父子の関係性が微笑ましかっただけに、女性の人物像がおざなりな気がして、気持ちが冷めてしまったのが、大変残念でなりませんでした。

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    2011/12/07 20:36

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