Lock'n'Roll 公演情報 大川興業「Lock'n'Roll」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    暗いことは視覚で楽しめないということ
    宇宙で目に見える物質はわずか約4%・・・なんつって大層な説明からなんとなく壮大な物語かな?なんて考えてたワタクシは見事に裏切られ、なんと、こぢんまりした舞台だった。

    ネタバレBOX

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    物語の主人公は病院のベッドで身動きできないまま植物状態で横たわっている男だ。彼には別居中の妻と娘があったが、彼女らにも見放されている。そして男は他者からは既に死んでいると思われているが意識だけははっきりしている。しかし、病院のドクターも他の患者も、男の知り合いも、男が死んでしまったものとして会話は進行されていく。男の体は家族の意思により献体されるようだ。しかし、男の意識ははっきりしてるので、自分の置かれた状況に足掻き、葛藤し、今までの人生を振り返って後悔もするのだが、これらを全体的にコミカルに描写していた。

    以上の物語だったら、特に暗闇にする必要はないと思った。眼の前の舞台上に、果たして役者が居るのかさえも見えない状況で、音だけが頼りなのだが、父親が少年にバットで殴るシーンでもバットの音はおろか、少年が打たれる悲鳴すら聞こえないのだ。あれ?これって演出が甘いんじゃないの?

    また演技力の問題だと思うが迫力に欠けたし、壮絶なシーンでも、他人事のようで本を前にセリフを棒読みしているような状態。中盤まで役者の足音も聞こえなかったので、マイクだけは舞台上に設置し、裏の方で役者が台本見ながら言ってるようにしか感じられなかった。後半になって足音や、役者の顔の向きによって発声が変わっていたから、ああ、役者が居るんだな・・、とか思ったけれど。

    またこういった暗闇舞台の公演は舞台セットはいらないし、衣装もいらない。ましてや役者が楽だ。「Lock'n'Roll」のタイトルにしてはロックな展開は何もない。もしかしたら、ベッドに横たわった男の気持ちになれよ、といった嗜好だろうか?確かに男は真っ暗闇の中で意識だけはあるのだ。ただ、観客を引き込む演技力がいまひとつ。

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    2011/12/07 14:19

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