「極めてやわらかい道」千穐楽!23日は13時開演!!当日券アリマス 公演情報 ゴジゲン「「極めてやわらかい道」千穐楽!23日は13時開演!!当日券アリマス」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    書きの苦しみ!笑
    脚本家というのは書くのが苦しいのだろうか?およそ作家に程遠い位置にいるワタクシは書くことを商売にしていない次元なので、そういった苦しみは解らない。当日パンフの 松居大悟の言葉は、書くのが限界だったが今回の本は自分に素直に作れた、とあった。松居はめちゃくちゃ陰の人間っぽいから、自分を押し殺して、陽気な台本やポップな内容に仕上げようとすると恐らく免疫という危険分子が松居自身をプレッシャーに追い込むのだろうか?笑

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    裏日記はこちら http://ameblo.jp/misa--misaki/

    そんな 松居大悟 の描く世界はストーカーだ。彼らが姫と言っている対象はピンサロに努める大橋紀美子という30を過ぎたブスらしいが、彼らの中では姫なのだ。その姫を守ると称して、彼女の行動や買い物を全てチェックし、ゴミ袋から姫の捨てたゴミを収集する。姫の現カレを王子として崇め奉る彼らは、姫の元カレたちだ。笑

    彼らは変態じゃない。彼らは独自の国家を作り姫を守るも姫に干渉しないという、これまた独自のルールを遂行する、云わばヲタ集団だ。だから姫を共有し守るという姿勢が彼らの趣味みたいなもので、常時、姫を監視し、だけれど干渉せずに、常にワーワーと騒いでる男たちだ。つまり姫の近くで姫を覗き見できる彼らのアジトは、俗に言う秘密基地みたいなものだ。

    同じ目的を持ち、同じ空間を共有する彼ら自身は案外、楽しいのだろうな・・とも思う。この時点で孤独感はなく皆で遊びに興じる格好だ。そして誰もが恋の仕方を解らず、自分の中で姫を過大妄想してしまう。秘密基地に居る間は彼らは孤独でもなく、また変態でもない。彼らの国ではこれが普通なのだ。そのうち抱きしめられる、という行為を経験しない彼らは、自分を抱きしめた相手に恋してしまう。相手が男でもだ。ハグ。なんて素敵な行為だろう。だから愛情に飢えていた彼らはハグされ恋に落ちてしまうのだ。笑

    こうして、小さな国家の中に居る彼ら住民は、家族のように緩やかに穏やかに独自の精神世界で遊びまわるのだが、ここに訪れたチンピラも、その世界の虜になってしまう。少年時代のような世界に。間違った遊びはどんどん拡大し、やがて、自傷する男、逃げ出す男、姫に刺される男などが出てくる。そして、姫自身の自殺をきっかけに、この危険な遊びは遂に解散し、ちりじりに散っていくのだが、そういった後の不条理を伴う空虚感は松居の本の素晴らしいところだとも思う。

    ワタクシ自身は存外陽気な人間だ。だから内に篭るという感情も、勿論、引き篭もるという行為も解らないが、誰かを思い詰めて鬱になる感覚は解らないでもない。面白い作品だと思う。また登場するキャストのキモい演技力も流石だ。松居の世界感を表現する次の作品も楽しみだ。次回も、観客まるごとブチかまして欲しい。笑

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    2011/12/07 14:11

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