満足度★★★
泡と荒野と
演劇は、はかない。一生懸命つくっても、後にはなにも残らない。
アニメやマンガ、小説、音楽、ドラマにCM、アイドルなどなど。物語ることを要求されるこれらのメディアの数々を、ひとまず大雑把に「フィクション」と呼ぶとして。ちかごろのそれは、寿命がものすごく短い。はかない。
ロロは、これらのフィクションを、ひたむきに、演劇の中に閉じ込めようとしているみたい。どうしてそんなことをするのだろう。なぜ容れ物が演劇なのだろう。ロロを見たのは今度がはじめて。僕は、その表現方法のバランスの悪さに辟易しながら、一点突破の偏った熱量におどろきあきれながら、同時に、無駄にも見える、彼らの、フィクションに対する冷めた視線と必死さに打ちのめされた。