THE BEE 公演情報 NODA・MAP「THE BEE」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    もうちょっとお客が入っても良さそうなものなのに
    日本バージョンを二回観たのだけれど、ロンドンバージョンも観てきた。

    全体的なストーリーはほぼ一緒。使っている小道具が色々異なっていて、メインになるモノが日本バージョンでは紙だったのに対して、こちらはゴムひも。どちらが優れているのか、というのは微妙なところだと思うけれど、恐らく日本にフィットした、そして英国では英国にフィットした設定をしたのだろう。それは非常にわかりやすいレベルで成功していたと思う。

    日本と英国でどこが違うのか。それは、日本がわび・さびの文化の延長というか、「沈黙は金なり」的な文化と言うか、「間」で演出できることに対して、英国では「表情」で演出して客に訴えるのが一般的、ということなのかもしれない。

    ネタバレBOX

    日本バージョンでは、影絵が重要な役割を果たす。モノクロの影だから、当然表情はない。しかし、そこから日本人は様々な情報を読み取ることができる。その情報を元に、想像力を書きたてられ、頭を使わされ、心地よい疲労感と共に演劇を観終わることになる。一方で、ロンドンバージョンは日本バージョンで紙を使っていたところにマジックミラーを使っている。当然のことながら、ミラーの向こうの役者の表情は非常に良く分かる。そこに繰り広げられるのはアナログの世界である。そして、そこからはたっぷりと役者から情報が放たれる。想像力は必要ないが、役者の勢いに圧倒されないように踏ん張っておく必要がある。

    日英の文化の違いを良く考えた上で、同じテーマ、同じストーリーにも関わらず見事に二通りの舞台を作り上げた野田秀樹氏はさすがである。

    残念なのは、こちらの英国バージョンの入りがイマイチだったということ。公演末期はそれなりに人が入っていたようだが、出足は決して良くはなかったようだ。わざわざロンドンまでいかなくても日本で観ることができるなんて、こんなラッキーなことはないのに。日本版と英国版が全然違う、ということをきちんとPRできていなかったこともあると思うが、ここまでセットが違うなら、半年ぐらい時間を置いた方が良かったのかも知れない。何にしても、日本の演劇文化もまだまだこの程度、と言う事かもしれない。

    それはそうと、主役の女性は、ハリポタのHarry Potter and the Order of the Phoenixの裁判シーンで証人(フィッグばあさん?)をやっていた役者さんですよね?あのダミ声は地なんですね。野田秀樹氏自身、円城寺あや氏、そしてKathryn Hunter氏と、野田氏の女性の声の好みがわかります。そういえば竹下明子氏もあんまり声が透き通っているタイプではなかった。

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    2007/12/17 13:21

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