満足度★★★★
とっても面白かった。
初めて観る劇団でしたが、かなりおもしろかったです。
全体的に、「動と静」「明と暗」など、状況を作り出す対比的要素が意識的に使われていて、役者は敢えて表情をパターン化し、セリフ回しも抑揚を抑えることで、無機的な雰囲気を作り出している。
4つの短編の中で、自分は最初の「西へ廻った日」が一番、秀逸だと思った。
鏡子は幼くして亡くした娘・雛子に何回も語りかける。そして、何度も全く同じやり取りが繰り返される。
母の問いかけに対して、娘は機械のように感情のない口調で返事をする。
意味もなく、母の頭の中で、何度となく繰り返される娘とのやり取りが、絶妙な演出によって表現されている。
雛子のセリフで「死は関係性。だから、子供にはわからない。」という一節があった。
このセリフが妙に心に残った。
子供が死ぬ。それは子供という存在が消えるということではなく、子供との関係性が永遠に失われることを意味している。
他の作品にしてもそうだが、全体的に哲学的で、かつ都会的でスタイリッシュな香りがした。