満足度★★★★★
劇団の勢いを感じて
古典を現代風に創造し直して、オリジナルな演劇をしていこうという劇団(合っているかな)。それだけでも劇団、劇団員の意気込みを感じます。
15回目の公演、しかも千秋楽とあって、期待して三鷹に向かいました。
そして・・・その期待を裏切ることなく、劇団の熱い思いと、それに付随した演技に圧倒されました。
2時間20分と、そこそこ長い劇にもかかわらず、休憩中も、待ちきれない思いでいるほどの気持ちでした。(まあ、タバコを一服できたのはありがたかったけれど)
まず、歯切れのよいせりふの言い回し。かなり凝縮されたせりふが飛び交うのですが、「聞きづらい」役者がいるわけでもなく、しっかりと心地よく耳に入ってきました。
舞台の設定と、役者の統制のとれた、無駄のない動きも、進行の印象を冗長させることなく、テンポ良く進められていたことも快く思われました。
台本も、しっかりと構想が練られていたことが分かりました。
現代的なジョークも挿入されてはいますが、それが劇の流れを妨げることがない。
近松の心中ものと、ロミオとジュリエットの見事な融合です。最後の場面では、めったに涙を流すことのない私でさえ、目の前がボッと曇ってしまったほどの迫真のシーンでした。
近松役の安定した演技に魅入っていました。また、これだけの人数を抱えた劇団にもかかわらず、それぞれの役者に「個性」があり、また「華」もありました。
勢いを感じる劇団ですね。
褒め過ぎかもしれませんが、中小劇団しか見ていない私の、今年の一番のものだったと思います。(まだ2ヶ月ありますが、現時点で)
こんな時は、見ていただいてありがとう・・・ではなく、見せていただいてありがとう、という気持ちになります。
2011/11/08 20:09
コメント ありがとうございます。
劇団アニマル王子のなかがわ あつこです
楽しんでいただけたのが文面からも伝わり、とても嬉しく思います。
来年公演は少し先になってしまいますが、井の頭公園で即興などもやっておりますので、是非そちらにも遊びにいらして下さい。
ご来場、ありがとうございました