満足度★★★★★
ちいさな舞台ですがそのちいささが素敵です。
ここのところ毎回観ています。
細部までしっかりと作られていて
最後まで安心して
劇の世界の中に身を委ねられるところが
素晴らしいです。
そこここにある、
劇的ではないけれど
人の温もりのある
町中のひとたちの声を、
ざわめきの中から
ひとしずくひとしずく
ていねいにていねいに、
それこそ手の指の間からこぼさないように
注意ぶかくすくいあげて、
そのきらきらとしたところを
舞台の上でしっかりと描き切っています。
以前、自分が町中で見た
ちいさなおばあちゃんのやっていたお店
(あれは京都だったか・・
小さくて、きれいではないけれど、
みているだけですごく温かな気持ちになれる
ハギレがあったりして・・
その布は、ディオールとかそうした高級なものとは
違うけれど、もっと美しくて優しいものが
含まれているように感じる・・。
ひとりでやっているこのお店のおばあちゃんの人生は
どうだったんだろう?
今ひとりでやっているこれまでのこととか、
その布を見つめながらつい、想像してしまう。
キャプチンの中にはそうした、
どこにであるけれど
目を凝らさなければ決して見れない
おばあちゃんのお店の中に香る
人生のようなものがある気がしてとても好きなのです。