獅子吼〜シンハナーダ〜 公演情報 innocentsphere「獅子吼〜シンハナーダ〜」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    慙愧の念
    直前までそこにいても必ずしも真実を知っているとは限らない…、信じていたことが覆る驚き、恐怖、知ることによる悔しさ、自責の念が大きなうねりとなって襲いかかってくる。

    ネタバレBOX

    戦時中に沖縄の一般市民が投降せずに死を選択したのは生き恥を晒さないという教育による自発的なものだったのか、日本軍の強制だったのか。

    とある洞窟での話、米軍の攻撃直前にその場を離れた男性が実体験から日本軍の強制があったと証言してきましたが、実際は違っていたという衝撃の事実!

    それが、私たちには亡霊たちによる当時を再現した芝居によって具体的に、生き残りの男性には発見された米軍の報告書類によって明らかにされました。証拠付きというところが秀逸です。

    地元出身で米軍の捕虜となり、立て籠もっている人たちに投降を説得する命を受け洞窟に来た男性は、自決の強制、自決に応じない場合は殺すという軍人の主張を覆すことはできないと判断し、報告時限ぎりぎりにその場を離れました。しかし、洞窟内では米軍捕虜との対立によって上官が負傷した頃から、生きて琉球の現況を伝えようと投降の機運が次第に高まってきていましたが、そのとき米軍の総攻撃があって全滅しました。

    今日まで男性は日本軍の強制が原因と信じていましたが、米軍の資料を読み、毒や手榴弾や銃によるものではなく爆死だった事実を知り、カメラを抱いて死んでいた女性がいたことで婚約者の死を再確認するとともに、投降するように説得の努力をしなかった事に対する自責の念にかられる、つらい話でした。

    沖縄が本土防衛の捨て石になったという話は良く聞きますが、本土決戦を前にした日本軍の地図に中国、台湾、朝鮮半島と同じ色が沖縄にも塗られていたと聞かされると、頭をガツンと殴られたような気絶しそうなほどのショックを覚えました。

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    2011/10/08 10:23

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