満足度★★★★
力強い芝居。
芝居が終わって、2丁目をぶらぶら歩きながら「これからどこで飲もう。誰と話そう」とフッと思った。こんな感覚は、然程無いこと。
芝居は、スピーディーな展開&想像力を求められる内容だったので(ま、想像力が乏しくても、冒険物として楽しめるんだけど)、ファンタジー物の解釈に異様に時間のかかるボクには、「えっ?なんで?」って思いもあった。
「誰かと話したい」と感じたのは・・・「自信」について、誰かと語り合いたかったから(この日は一人観劇)。
実績ある発掘家でありながら、不慮の事故が元で、清掃員に転職した山上(江戸川良さん)は、とにかく迷う。ず~っと迷ってる。挙句の果てに、空間が歪んで砂漠で迷子になる(笑)
自信を失う、というか人生に迷うことって、他人から見たら「ほんの些細なコト」がキッカケになっていても、本人にとっては、迷うべき命題になっちゃってたりする。
ボクは、会社員時代の仕事柄、どでかいトラブルや目標必達へのプレッシャーへの耐性はあるんだと思う。ま、巧みに処理するというよりも、それが元で「潰れることは無い」ってだけだけどさ(笑)
でも、ボランティアで指導している囲碁・将棋の生徒の何気ない一言に「ボクの指導はこれでいいのか?そもそも指導するほどの人間なのか?」なんて思ってしまう(囲碁も将棋も、相手への礼や呼吸を合わせることが、とてもたいせつなことなので)。
この『ファンタステカ』には、迷う人間・迷わない人間・ケセラセラな人間、そして正体不明な人間が登場する。
そんな烏合の衆が、なんやかんやありながらも、一つの目標を目指して歩く歩く歩く。。。
迷った時は、仲間と語り尽くせ。とりあえず前へ進め。
誰だって、迷うときはあるさ。
ちょっと視線を変えてみりゃ、この迷路から這いだすことができるのかもね。