満足度★★★★★
家族ゆえに
前回観た方が、高く評価されていたので、ポッカリ空いた時間に観に行った。
満席で最後列の端だったが、舞台は見やすかった。
父、母、息子、娘、家族4人の温泉旅行。
大抵の家庭で、子供たちが成人すると、家族旅行は「妥協」のうちに成立している場合が多いようだがこの家族はより深刻な条件(あえて条件と書かせていただくが)のもとに家族として成立している。
「罪」というのはこの劇の場合、それぞれの「生き方」と置き換えることもできるが、私自身もまた、母の病気を巡り、父との間でこの家族のように、「罪」をめぐって対立が起きた経験を持つだけに身につまされた。
家族だけに、自分を責め、相手を責め、この劇のように堂々めぐりになってしまう。そのときに救いとなるのは第三者の視点である。
そして最終的には家族だからこそ、人間として、互いに許し、思い合うしかないのだということを改めて考えたお芝居である。