オーデュボンの祈り 公演情報 石井光三オフィス「オーデュボンの祈り」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    よかったです
    かなり原作に忠実でした。
    筒井道隆さんの透明感あるたたずまいや語り口は、優午のイメージによく合っていたと思います。
    最後のシーンは、原作を読んでいる人でもジンとするのではないでしょうか。
    (私は感動しました)

    役者はチラシにある12人のみ。ほとんどの役者が一人二役をやっていてその違いも楽しめました。

    (以下、思いっきりネタばれで)

    ネタバレBOX

    しかし、その一人二役で、城山と桜が同じ役者(玉置玲央さん)と気付いてからは「じゃあ、あの場面はどうなるの!」と、やたらとそれが気になってしまった私です。
    あの場面と言うのは、言わずと知れたあの場面で、私は「オーデュボンの祈り」で好きなシーンを一つだけ挙げよと言われたら、間違いなく「桜が城山を撃ち殺すところ」と答えます。(←あんたそれ変だよ、と友人)
    それまでに城山の残虐非道さがこれでもかと描写され、私の中の正義がうち震えて悶えて、こいつはなんとかしなくちゃいかん!やってくれるよね桜!という期待が東京ドーム30個分くらいに膨張した時に、パンと鮮やかにやってくれるあの瞬間。桃太郎侍にも通じるカタルシスがあるのです。(←あんたホントに変だよ、と・・・)
    それが、同一役者じゃあどうなるの?と心配したんですが、あっと驚く解決方法が示されました。
    うん。それちょっと反則じゃね?みたいな。
    そして、その城山の悪行についても、時間の関係でしょうが、ちみっとしか紹介されなかったがために、カタルシスも半分くらいでした。
    城山の死にガッツポーズをした伊藤に客席から笑いが起きたように、原作を読んでいなければ「なんで?」的な感想もあったかもしれません。

    おおむね原作通りではありましたが、あの内容を2時間30分(内休憩10分)にまとめるのは、かなりの大ワザ。物足りないところがあるのは仕方ないですね。
    優午のしかけた謎解きも、駆け足で説明されてしまった感じはあります。
    原作を読んでから・・・とまでは言いませんが、観終わった後にでも原作を読んで補完した方がより楽しめると思います。

    最後の場面は、原作にはなかった(というか原作はその直前に終わって想像の余地を残していた)丘の上での静香のアルトサックス演奏シーンでした。
    これはとてもよかったです。静香役の寺地美穂さん、本当にサックス奏者だったんですね。女優さんだと思っていたので、本当に演奏が始まったときにはビックリしました。
    小林隆さんも石井正則さんも河原雅彦さんも良かったです。
    吉沢悠さんは、ちょっとカミ過ぎでした(笑)

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    2011/10/01 19:50

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