【終演致しました!】ふつつかもの 公演情報 ふつつかもの「【終演致しました!】ふつつかもの」の観てきた!クチコミとコメント

  • 真逆な二作
    旗揚げオムニバス公演。大学の知り合いがやっている団体なので、お客さんも役者も知り合いの方多数。
    個人的には自分が見た大学演劇の中では上位に属すると思う。
    ちなみにこの公演どちらも出演者が全て本人役である。詳しくはネタばれBOXに書くが、なんだかそういうところにこの劇の本質があるような気がした。

    あ、ギャラリーLE DECOは本当に分かりづらい所にあるのでこれから見に行く人は注意した方がいいと思います。

    ネタバレBOX

    『なまぬるい風』
    序盤のエチュードをそのまま上げたような自然な面白さが良かった。

    また、劇場が非常に芝居に合っていたように感じた。小さい劇場故の役者との距離の近さや外から漏れ聞こえてくるバイクや車の音までこの芝居を引き立てていた。
    私は正面でこの舞台を見ていたが、銃の音とそれに驚く舞台上の切迫感がリアルに伝わってきて非常に良かった。

    とはいえ話がここで終ってしまっているという気がした。とにかく短かった。中盤ちょうどだれてきて照明が変わったあたりで何かあってもよかったかもしれない。
    どうしても肩すかし感がぬぐえなかった。

    そういう意味で爽やかな終わり、舞台転換は悪い言い方をすると後に何も残らない感じが出ていた。案の定、あとの『さるまね』においしい所を取られてしまった感がある。
    『さるまね』
    人が猿になる話。見終わって色々考えられるという点では好きな話だった。この劇を見るにあたって山月記をさらっと読みなおしたが、やっぱ中島敦すげえなー

    紙を床が埋め尽くしているという演出が面白かった。そんなに凝ってはなかったが照明もうまく盛り上げている感じがして好きだった。ラストは音が大きくて普通にびっくりした。

    こちらの方は劇場でやや損をしてる気がした。漏れてくる音が邪魔な事はもちろん、大道具の大きさや紙の演出はもう少し広い舞台の方が使いやすそうだなーという印象だった。

    あと、長かった。セリフ回し等々は『なまぬるい風』とは違う面白さを感じたが丁寧に説明しすぎてテンポが悪くなっているとも感じた。

    余談だが、なぜ山月記を演劇を題材にして書いたのかと考えた時、大学演劇はまさに『さるまね』であり、大学演劇に関わっている学生達こそが虎にもなれない「しあわせ」な猿であるという皮肉があるのかもしれないと感じた。
    それゆえにか公演後、役者スタッフ客が入り混じって話に花を咲かせているのが気持ち悪くなりアンケートだけ書いてすぐに劇場を出た。

    このような全体的に内向きなもの(もっと言うと内輪)を感じるという理由でせっかく金払ったのに大学演劇としてしか見る事が出来なかった。まあそれがこの劇団のスタンスなのかもしれないけど。

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    2011/09/30 08:55

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