満足度★★★★★
人馬一体
以前のチラシを見たときは、
タイトルから騙し絵だから、
詐欺師の話かなと予想していたのですが、
見事に裏切られました。
馬の話でした。
でもね。
馬だから競馬のシーンとかないんだろうと思っていたら、
まさかね。
人が馬を演じるとは。(演劇なので当たり前ですが(^_^;)
パラドックス定数にしては珍しく暗転があり、
音楽もかかるという珍しい公演でした。
でも、この演目にはそれがふさわしい。
5頭の馬と5人の人間の物語。
5頭と5人が微妙にリンクしている。
性格が同じだったりと、
馬社会のシーンでは馬同士が会話するし、
人間のシーンではもちろん人間が会話する。
馬と人間が混在するシーンでは、
一方通行の会話だ。
それは馬と人間だからね。
でも、シーンが進んで一瞬だけ、
馬と人間が通じる合う瞬間がある。
でも通じていないかもしれない。
お互いの思いが同じだけで、同じ言語はしゃべっていないのだから。
人馬一体。
人に人生があるように馬にも人生(馬生)がある。
ただ走ることに全てをかける姿に人は感動して、
自分の人生を投影する。
そこには、純粋にゴールに向かう崇高な姿をした、
馬がいるから。
人間は迷い、立ち止まることがあるから、
走り続ける彼らに惹かれるのだろう。
パラドックス定数の新しい進化を見た気がする。
演劇ってやつは可能性が無限大ですね。