ロミオ&ジュリエット 公演情報 TBS「ロミオ&ジュリエット」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    歌唱力が全てを凌駕する快作かな?
    いえね、幕開きは正直気持ちが萎えました。

    あら、これ、相当駄作??って感じで。

    ところがですよ、結果的に、これは近来稀に見る優れもののロミジュリでした。

    一幕ではよしてよ!と内心思った小道具が、実は、これを出す意味があったのかもとさえ、善意的な解釈が可能に成る程でした。

    城田ロミオは、見目麗しく、歌唱に色気があり、もう文句のつけようがありません。昆ジュリエットには、一声聴いて、驚嘆させられました。一体、どこに、こんな歌が上手で、ピッタリな女優さんが今まで隠れていたの??と、信じられない思いでした。

    周りのキャストも、こぞって歌唱の優れたツワモノばかり。
    こういう歌唱に不安のないミュージカルが日本でも上演される日が来るなんて、昔は期待もしませんでした。

    ただ、脚本と、訳詞の酷さには、やや残念な部分もありました。

    「ロミオとジュリエット」と言うよりは、「ウエストサイドストーリー」のパロディ的な味わいでした。

    ネタバレBOX

    開幕早々、携帯やフェイスブックネタが満載で、あれ、そういうテイスト?とかなりがっくりしたのです。
    衣装が現代風なのはいいとしても、時代設定も場所設定も滅茶苦茶な感じで、それでいて、大公や両家の設定等は、原作に忠実という、矛盾で、気持ちが付いて行けるだろうかとかなり不安が過ぎりました。

    ところが、主役二人が登場するや、その不安はいっぺんに解消され、「わお、日本でこんな本まもんのロミジュリが観られるのねえ!」と一気に心がハートマークに豹変しちゃいましたよ。

    だって、若くて、素敵で甘い歌声のまさにロミオ的な城田さんと、まだ乙女の純粋無垢な感じの、昆さんの可憐さに目が釘付けになって、耳はとろけそうになるんですもの。

    皆さん、歌もダンスもお上手。

    意外な人物のソロナンバーがたくさんあって、ちょっといつものロミジュリを側面から照射してみました的な視点が新鮮でした。
    歌詞は、他のシェークスピア作品からも拝借したり、工夫が感じられたのですが、訳詞がうまくないせいか、耳障りな単語が耳につき、ちょっと違和感を感じる部分がたくさん見受けられました。
    特に、「憎しみ」という語を連呼する歌は、歌いにくそうだし、ダサい印象を受けてしまいました。
    主役二人のデュエット曲は、やはりいつ聴いても佳曲だなあとウットリ!
    今度、CDを作る機会があれば、絶対入れたい曲ですね。

    石川禅さんの出場が少なく、もったいなく感じたり、涼風さん扮するジュリエットの母のキャラクター設定に、異を唱えたい思いなど、細部をほじくれば、多々不満もありましたが、とにかく、観ても聴いても、清々しく、観客の気持ちが幸せになるクオリティ高いミュージカルだったことは確かです。

    最初は、これだけは勘弁と思った携帯の存在も、もしかしたら、意味があったのかもと感じられさえしました。
    以前、誰かが言ってたんです。「もし、携帯があったら、ロミオとジュリエットは死なないで済んだのに」って。
    でも、この芝居、携帯があっても、すれ違いは起こり、やはり死んでしまうのねえ。つまり、二人は、どういう時代に生まれても、人々に、戦いや復讐の愚かさを自らの死をもって、伝える役割を神から与えられた存在なんでしょうね。そして、愛情の素晴らしさもね。

    何か、久々、一演劇ファンとして、ただ単純に幸せになれる舞台でした。
    今夜は、いい夢見られそうです。

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    2011/09/15 01:31

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