花と土/ファーファーファーファー,ファーラウェイ 公演情報 monophonic orchestra「花と土/ファーファーファーファー,ファーラウェイ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    日曜日のお昼
    9月4日、11日と2作を続けて拝見させていただきました。

    民家の2階という風情のギャラリーなのですが、
    なんだろ、洒脱な風情があって
    場の空気感に物語がしなやかに絡まって。
    しかも、両日ともお天気がお芝居に味方までしてくれて・・・。

    それぞれに、
    心満ちる休日の午後の観劇となりました

    ネタバレBOX

    ・ファーファーファーファー、ファーラウェイ(1週目のみ)

    男女の15年を綴る物語。紙コップをピッチに見立てて、ほぼ、電話での会話のみで二人の日々描き出していきます。

    それぞれのシーンは断片的なのですが
    場に時間を担う密度があって、
    なおかつ時間の遷移がとてもスムーズ。
    それは
    男女の刹那の想いをすっと切り取る戯曲の秀逸と、
    役者の醸し出す感情の深さと切れのなせる技なのですが、
    だからといって、それらがあからさまにならず
    ボディブローのようになって観る側を取り込んでいくことに
    演出の力を感じて。

    途中、一瞬だけ、二人の関係性を離れ
    女性だけの時間が現出する部分があって
    そこだけに若干の違和感を感じる部分がありましたが
    でも逆にいえば、
    それを気づかせるほどに、
    物語全体に二人の時間が作りこまれていて。

    また、そのなかでの男女の感覚の移り変わりも
    概念ではなく、
    役者から滲み出てくるものをそのままに受け取って
    広がっていくような感じがあって。
    守山さんからすっと現れる感情が
    時々の感情とずっと貫かれる想いに
    ある種の立体感を与えて
    交差する二人の世界を実直に観る側に俯瞰させる・・・

    30分弱の上演時間なのですが、
    観る側には二人の15年が
    きちんと重さを広がりを持って置かれている。
    観終わって、ちょっと魔法にかけられたような気分(誉め言葉)に
    なりました。

    ・花と土(2週目のみ)

    まずは、開場から開演までの
    舞台空間の絵面に取り込まれる・・・。
    窓辺に座り書類のようなものに目を通す女性。
    マチネで観たので、
    窓の外の陽の光のうつろいや、
    風の気配も、
    すべて借景となって、
    女性の自然体の時間を際立たせていく。

    なんというか、そこには素の女性の
    飾らない気配のが集約されていて
    見惚れる。

    そのベースを持って物語が始まるから
    秀逸な演技から育まれる女性のどこか不安定な感情の生々しさに
    強く取り込まれてる。
    決して接する側が心安らぐ感じでなないのですが、
    でも、それも含めての女性の存在感に
    観る側が舞台にあるがごとく染められてしまう。

    夫婦に流れる時間、
    満たされていること、あからさまな優越、
    そして手のとどかないこと・・・。
    すべてを思い出させる望まない来客への
    妻の嫌悪が解かれ広がるにつれて
    夫に内包された苛立ちまでもが導き出していきます。

    漠然とした閉塞感と
    行き場を失った生を育むことへの渇望が、
    花を摘む狂気の告白に踏み出す、
    その肌合いに息を呑む。
    冒頭の時間と、そのシーンが重なって
    村上さんが醸し出す女性くささ(誉め言葉)というか
    素の女性の所作の美しさと裏腹に内心抱く業のようなものに
    圧倒されてしまって・・

    ただ、物語の終わりについては
    好みが分かれるかも知れないとは思うのです。
    「罰」という伏線の回収され
    すっとクローズするところから生まれてくる強さもたしかにありました。
    ただ、その収束には、
    積み上げられたトーンがすっと厚みを減じられるような部分もあって。
    もう少しだけ物語の収束に
    すそ野があってもよかったかもとも思いました。

    ・僕の兄の幸福な結婚

    ひとり芝居、
    演じるというよりはエピソードを語るという感じが強くて、
    でも、冒頭のフレンドリーでラフな語り口に気を許していると
    そのまま、語り部のリズムにあれよと取り込まれてしまう。

    お兄さんの人物描写がべたにされていないところが
    うまいなぁと思う。
    必要なことしか観る側に語られていなくて、
    でも、浮かんでくる人物像が
    物語のなかでしっかりと存在している。

    この話は2週連続で聞いたのですが、
    なにか飽きのこないエピソードで、
    2回聞いたから深まるってなものでもないのですが、
    ついついしっかりと耳を傾けてしまう。

    腕のいい噺家さんの高座などでもそうなのですが、
    物語を聴かせるというよりは
    観る側をその空気に遊ばせるみたいな芸の力が
    さりげなく物語に観る側を浸していく。

    なんということはないのですが、
    演じ手の語り口がしっかりと残ったことでした。

    ・今日のおわりに

    くじびきで、当日の役割を定めてのリーディング。

    これも2週にわたって。
    そりゃ、一週間目のほうが新鮮に見入ったのはあたりまえだけれど
    2週目も構造や聴き所が分かっているが故の楽しさがありました。

    指差しで流れる時間、しりとりが作り出すリズム、
    それが、独りよがりにならず
    観る側の感覚を丁寧に巻き込みながら膨らんでいく。

    派手な展開はないのですが、
    でも、その家族の記念日になるようなエピソードが
    ルールの力でポップに醸し出されて。

    2週連続でどこか暖かい気持ちになりました。

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    2011/09/12 11:30

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