満足度★★
作り手は大満足でしょう
新国立劇場って、素晴らしい構造ではあるけども、
本当に税金の無駄使いですよ。
作品の質が伴わない、無駄に立派で格調高いロビー、
丁寧なインフラ(クロークなど)、何より豪華な舞台構造。
こけら落し、超ガラガラだった森光子の「~ホテル」で、
何でも出来る舞台装置や機能を見て、
「これは新しい演劇の可能性、創造の実現」を期待しましたが
今日まで、完成度は高いけど、正直ありふれた作品しか上演されていない。
今回の作品も、作り手は大満足でしょう。
作品の世界観を120%表現できている。
何でもできるのですから、照明も舞台装置も。
しかし、これって、こんな大きな劇場で上演するような作品でしょうか?
紀伊国屋あたりでも広いんじゃないかと感じられるほど
小さな作品を、大きな舞台の上でチマチマやっている。
3500円程度の作品でしょう、7500円の価値はない。
今年3回目の木場氏とすま氏は確かに名優ですし
土居裕子の声もいいんだけど、雰囲気は「こまつ座」。
これなら、紀伊国屋の「円生と志ん生」行ったほうが
時間と予算の価値が合うと思う。
2時間20分の上演中、暗い舞台で睡魔と戦う中
無駄に爆音だけが響き、落ち着かない。
鐘下ワールドは堪能できますが、距離がありすぎて
取り残され感強い。
客席よりも広い舞台、高い天井、
いつからか客席を半分つぶして前にせり出して
空間を埋めよう努力はしているんでしょうが、
スターが出演する作品でしか埋まらないナショナルシアターって、
どうなでしょうか???
商業演劇に偏らず、挑戦している心意気は感じますが
税金つかっていますから・・・
まぁ実験的な作品を上演する意義はありますが、
それなら小劇場だけでいいんじゃないかなぁ。
暖房代一つとっても、すごく経費がかかりそう。