太陽のコトコト島 公演情報 山下幼稚宴「太陽のコトコト島」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    久々のミュージカル観劇
    ミュージカルを観る機会は私はあまりないので、楽しく拝見しました。

    ネタバレBOX

    ある島(コトコト島)には、人形・道具・機械だけが生活している。
    その島の憲法には「人間を入れてはいけない」とある。

    ところが、ある時、人間の女の子が流れ着く。
    弱っている彼女を気の毒に思った島の女性大統領
    (といっても良い服を着ているわけでもなく、
    その辺にいる普通のおばさんといった風情だが)ミシンは、
    彼女を助け、ヒー子と名乗らせ、人間であることを隠して、
    学校にも通わせ、リキ(リカちゃん人形のパロディ)の家に住まわせる等、
    色々面倒を見てやる。

    生徒が中心の芝居であり、かつ学校教室内の場面も多く、
    それが童話的な雰囲気を観る者に与えていたことも
    良い雰囲気を与えていたと思う。

    さて、淡い恋心ながら、嫉妬から、リキは魔神に、恋敵を石にしてしまうよう躊躇しながらも頼んでしまう。
    ところが、魔術は、誤ってミシンの子ボビンにかかってしまい、
    彼は石になる。ところが、意外にも、級友たちも大人達も
    「私達は道具だから、壊れたらそれまで…」と悲しまない。

    それにどうしても付いていけないヒー子は、友を失った悲しみを訴え、
    さらに、自分が人間であることをも告白してしまう。

    だが、そのために、島の住民の会議が開かれ、憲法違反の罪で、
    彼女が人間であることを隠して世話をした者として、
    大統領に弁明を求める。

    そこで大統領は「今までだって彼女が人間だと誰も気が付かなかったでは
    ないか。それに、彼女は大切な「感情」を教えてくれた」と島民に訴える。
    実は彼女自身も人間社会に嫌気がさし、魔神の力でここに辿り着いたという経緯があった。しかしここでも、自分が期せずして恋敵になってしまい、そのためボビンまで石になってしまったことに罪悪感を覚えるが、
    今度は島民たちに「あなたによって大切な感情を教えられた」と励まされ、
    人生に希望を持つことができ、人間社会に帰る決心をする…。

    ステージの他、通路まで花道のように使っていたことも、
    良い効果を上げていた。

    服装については、全員白であり、ウェディングドレスのように見える人
    (リキ)もいれば、作務服、柔道着、寝間着、下着…のように見える人もいて、様々。
    ただ、例えば冴えない割には女性にもて、今回の恋の騒動の対象となった
    「百科事典」は、腹のあたりにページがめくれるような工夫がされていて、それはそれで面白いのだが、なにしろ全員白なので、
    そういう辺りが目立たないのは残念(私は最前列の端っこでした)。
    全員白と言うのは、ここの住人が人間ではない、ということの象徴でも
    あろうし、集団で歌う時も照明に映え独特の雰囲気ではあるのだが、
    例えば各人の個性的部分だけ色を使ってみるのは、やってみないと分からないところもあるが、あるいは効果があるかもしれない。

    それから、歌唱については、ミュージカルでは常々思うことであるが、
    「もっと歌が上手ければなあ」と思う場面も正直、いくつかあった。
    ただ、ミュージカルならではの、集団で歌う際の役者の輝かしい笑顔は
    中々良いもの。(主役ヒー子はもっと輝いても良かったかも)
    ともあれ、小劇場でのミュージカル公演でもあり、
    現実を忘れる楽しいひと時を過ごせました。

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    2011/09/07 15:40

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